それらの状況はこのブログでも何度か取り上げた。そのような中、Forbesの「OpenStackの統合は(殆ど)終わった-OpenStack Consolidation is (almost) complete」という記事が目についた。RackspaceとNasa 
Amesが2010年夏、結束してAWS対抗として始めたOpenStackプロジェクト。その後は多くの賛同を得て、企業メンバーも300社以上に膨らみ、関連プレイヤーも増え、2012年秋にはOpenStack Foundationとなった。現在、Best 
BuyやBloomberg、CERN、Comcast、Ericson、Intel、PayPal、Walt 
Disney、WebExなど名だたる企業がOpenStackを導入している。大手企業の採用が進むと、当然のことのように関連プレイヤーに注目が集まり、大手企業による買収合戦が始まった。まさに時代の変わり目である。=どのように統合が進んだのか!=
ここで、これらOpenStackプレイヤーたちの統合がどのように進んだのか、時系列的に振り返ってみようと思う。
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| 2014/9 by Cisco | 
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| 2014/10 by EMC | 
(Cloudscaling 詳細記事)
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| 2015/4 Shutdown | 
Kemp氏が目指した製品Nebula Oneは、これをイメージして、全てが組み込まれアプライアンスだった。Nubula OneはX86ベースのNebula Cloud Controllerを核に最大40台のサーバーをスケールアウトさせたが、それでも、既存サーバー製品と差別化し、ユーザを惹きつけるには至らなかった。このために著名なVCから集めた資金は$38.5M(46.2億円)。シャットダウンに前後して、主なエンジニア40名はOracleに移籍した。![]()  | 
| 2015/6 by IBM | 
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| 2015/6 by Cisco | 
<Piston Cloud Computing> Ciscoも再度6月始め、Piston Cloud Computingの買収を発表。前述のMetacloudに次ぐ第2弾である。同社は独自OpenStackディストリビューションをUSBデバイスで配布して、複数クラスターのPrivate Cloudを容易に構築するビジネスとして始まった。その後、配布方法はダウンロードに代わり、さらにディストリビューションのアップデートを改良。現在の製品CloudOSは
コンテナーやBig 
Data対応などを強化したものだ。さてCiscoはどうするだろう。考えられるシナリオは2つ。ひとつはMetacloudと併存させる形でPrivate 
Cloud製品を強化する。もうひとつは、Pistonの配布アップデート技術をMetacloudと統合させることだ。どうなるかは要注意だが、Ciscoは着々とIntercloud戦略を進めている。
(Piston Cloud Computing 詳細記事 )
(Piston Cloud Computing 詳細記事 )
=その他の買収!= 
OpenStackそのものではないが関係した買収もあった。
2013年3月、OracleがNimbula買収を発表。NimbulaはAWSのEC2を開発したエンジニア2人が興した会社で、新しいクラウドプラットフォームNimbula Directorを開発していた。しかし、Oracleのこの買収劇は、結果的にプロダクトを細々サポートするに留まり、上手く行かなかった。同社創業者のひとりChris Pinham氏は、1年間Oracleにいたが現在はTwitterのEngineering VP、もうひとりのWillem van Biljon氏は最初からOracleには移籍しなかった。また昨年9月には、HPもEucalyptusを買収。Rackspaceのホワイトナイト探しの最中だった。現在、HPはHelionとEucalyptusを併存させている。AWSへのブリッジはともかく、この買収が成功だったのかは疑問が残る。(Eucalyptus 詳細記事)
=MirantisとRackspaceはどうなる!=
残ったOpenStackプレイヤーはMirantisとRackspaceのみだ。彼らが今後どうなるかを占うレポートがある。 Forresterから出た「OpenStack Is Ready - Are You?」(OpenStackサイト参照)だ。このレポートはOpenStack Foundationが昨年暮れに行ったサーベイを彼らの視点でまとめたものである。下図から解るようにFortuneにリストされる大企業で導入が進んでいる。プロジェクトで見るとOpenStackのキーコンポーネントであるNova(Computeエンジン)、Keystone(ID統合管理)、Glance(イメージ管理)、Horizon(管理コンソール)などだけでなく、ファイル(SwiftやCinder)やネットワーク(Neutron)まで利用が進んでいる。OpenStackは実質、デファクトに近づいているが、一方で、かなり複雑なためシステム力がないと自社構築は難しい。
=MirantisとRackspaceはどうなる!=
残ったOpenStackプレイヤーはMirantisとRackspaceのみだ。彼らが今後どうなるかを占うレポートがある。 Forresterから出た「OpenStack Is Ready - Are You?」(OpenStackサイト参照)だ。このレポートはOpenStack Foundationが昨年暮れに行ったサーベイを彼らの視点でまとめたものである。下図から解るようにFortuneにリストされる大企業で導入が進んでいる。プロジェクトで見るとOpenStackのキーコンポーネントであるNova(Computeエンジン)、Keystone(ID統合管理)、Glance(イメージ管理)、Horizon(管理コンソール)などだけでなく、ファイル(SwiftやCinder)やネットワーク(Neutron)まで利用が進んでいる。OpenStackは実質、デファクトに近づいているが、一方で、かなり複雑なためシステム力がないと自社構築は難しい。
このような状況が好感され、MirantisはVCから昨年10月、何と$100M(120億円)の資金を調達 、そして、日本にも事務所を開設した。MirantisはOpenStack最強のSIベンダーだ。その実力は周知のとおりである(Mirantis詳細記事)。目指すはIPOだ。もう一方のRackspaceはNasdaq上場企業だが、このところ成長に陰りが見えていた。AmazonやGoogle、Microsoftは体力を武器に猛烈な価格競争を仕掛けてくる。OpenStackベースのPublic Cloudを運営するRackspaceに勝ち目はない。そこで現在、注力しているのはこれら3大クラウドと競合するのではなく、彼らのユーザにホスティングだけでなく各種のエンジニアリングサービスを提供し、共存する道である。結果、5月中旬に発表された今年1Qの決算は好調だった。5月中旬、同社はマルチクラウドのセキュリティー管理スタートアップScaleFTにシードファンドとして$800K(9,600万円)を投資した。複数クラウドに跨ったシステムのセキュリティーを容易にする技術だ。これはRackspaceの生きる道にとって先見性ある判断である。これなら何とかやっていけるかもしれない。 (Rackspace
 関連記事1、2、3)








