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-デスクトップの仮想化に本腰、XenDesktop-
XenDesktopでは、XenServerで作られた仮想マシンにクライアントで必要なOSやアプリケーションなどのソフトウェアを載せて、ネットワークを介したPCやシンクライアント端末からアクセスする。この際、ネットワーク上ではSBCで実績のある高速圧縮技術ICA (Integrated Communication Architecture)を採用、アクセス端末もそのまま利用が可能となって、新しい環境に生まれ変わった。最新版XenDesktop 4ではこれまで普及の進んだXenAppも統合され、デスクトップ仮想化で想定される全ての形態がサポートされている。①MetaFrameベースのホスト共用型の“Hosted Shared Desktops”、②仮想マシンを用いたVDIの“Hosted VM-based Desktops”、この仮想マシンではXenだけでなくVMwareやHyper-Vでも構わない。さらに③ブレードPCを利用する“Hosted Blade PC Desktops”、そして④ストリーミング技術を用てアプリケーションを配信する“Virtual Apps to Installed Desktops”、⑤OSごとネットワークからブート配信する“Local Steamed Desktops”などだ。これら多岐にわたる情報配信にはFlexCastが開発された。まさにデスクトップ仮想化の集大成であり、こうなればXenAppからXenDesktopへの移行が加速されるのは想像に難くない。
-新たなデスクトップ仮想化の展開、XenClient-
そして今回のカンファレンスで登場したのがXenClientである。
正確には前回のSynergy 2009でXenClientの概要が発表され、今回は製品版レビュー用(Release Candidate)のリリースと詳細説明だ。この機能は、XenDesktopに6番目の機能、⑥“Local VM-based Desktop”として統合され、製品版は3Qが出荷予定となっている。さてXenClientだが、
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-サーバ仮想化を担うXenServer 5.6とEssentials for Hyper-V-
サーバ仮想化についてはXenServer 5.6が発表された。XenServerは昨年オープンソース化が決まり、今年始めXenServer 5.5(詳細記事)としてリリースされた。今回の5.6版はそのマイナーリリースである。Xen 3.3ベースの5.5版の大きな特徴は2つ。
まずバックアップや仮想ディスクフォーマットの機能強化、これによってシステム管理機能が大幅に向上した。その成果がXenCenterやEssentialsだ。さらに処理効率面では、第1世代のCPU仮想化支援機構(Intel VT、AMD-V)から進展し、第2世代(Intel EPT、AMD RVI)に対応してきた。その上で今回の5.6では、処理能力面で①Dynamic Memory Control、②Automated Workload Balancingが強化され、運用管理面では③Enhanced VM Snapshots、④StorageLink Site Recovery等が追加された。
今回のリリースで印象的だったのは、新設定されたXenServer製品の4つの区分だ。
まず無償のFee Editionは現在のもの比べ、ホスト機のメモリ、CPU、ネットワーク、サポートOSなどが拡張されている。続く有償のAdvanced Editionは初期導入の企業ユーザ向け、そして企業向け主力のEnterprise Edition、最上位にPlatinum Editionという構成となった。
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XenCenterの取り扱いだ。XenServer 5.5まではシステム管理を司るXenCenter 5.5が別物になって、2つのインストールが必要だったが、5.6版ではXenCenterはXenServerに統合された。これに伴い、総合パッケージのEssentials for XenServerはなくなり、Microsoft向けのEssentials for Hyper-Vだけが残った。ただ、この製品のポジショニングは難しい。いずれは消えるかもしれないからだ。
Xenは結果的に言うと、上手く行っている。
当初、オープンソースが苦手で、シンクライアントだけのCitrix買収は懸念された。
しかし現状を見る限り、CitrixはXenServerをバックエンドとしたXenDesktopを全面に押し出してVMwareと戦っているし、Xen.org自身もXen Cloud Platformや次期4.0版開発などを順調にこなしている。このカンファレンスでもRackspace CEOのLew Moorman氏が同社のパブリッククラウドを今後XenServerに移行すると発表した。AmazonもGoGridもXen採用組だ。大手クラウドプロバイダーはどうやらXenに満足しているようである。