この間の変化を精査すると、時代の流れが読める。
1) 快調に飛ばすAWSとRackSpace!
米クラウドではAmazon Web
Service(AWS)とRackspaceが相変わらず好調だ。
これについては別途詳しく述べるが、Amazonのクラウド度売り上げは昨年度$2B超(約2,000億円)と見込まれる。AWSが始まった2006年度が$250M(約250億円)と推定されるので約8倍の成長だ。
これについては別途詳しく述べるが、Amazonのクラウド度売り上げは昨年度$2B超(約2,000億円)と見込まれる。AWSが始まった2006年度が$250M(約250億円)と推定されるので約8倍の成長だ。
対するRackSpaceのパブリッククラウド売り上げ(ここではAWSとの比較上、パブリッククラウドのみ)は昨年度$300M(約300億円)だ。今やクラウドの巨人となったAmazonに比べ、小企業のRackSpaceはHostingビジネスから転進した。クラウドを新しいビジネスチャンスと見た同社はAWSと同じ2006年に実験事業を始めたが、本格開始は2008年である。その年の売上げは$25M、5年で12倍に急成長した。AWSに比べれば数字は小さいが大健闘である。周知のようにクラウドビジネスは基本的にオープンスタンダードに準拠しなければ上手くいかない。Amazonの戦略はその上で独自機能を加味したものだ。一方のRackspaceは徹底したオープン化で対抗してきた。結果は大善戦だ。
2) オープンソースの躍進!
2) オープンソースの躍進!
クラウドビジネスの第2幕は、これからである。
市場の動きを良く見ると、AWSやMicrosoft Azure、更にはGoogle App Engine等の大手は自らの影響力を最大限に活かしながら、得意とする技術で顧客を引き寄せようとする。VMwareとCitrixの戦いも然りだ。しかしクラウドがもて囃されるのは、ソフトウェア技術(OSやミドルウェア、アプリケーション)やハードウェア(サーバー、ストレージ、ネットワーク機器)などを抽象化するからだ。それによって、ユーザーはハードとソフトの縛りから解き放たれる。つまりクラウドビジネスは、抽象化技術によって、ユーザーに自由な空間を、どれだけ安価に、どれだけ容易に提供できるかがポイントである。
しかし大手ベンダーたちは、クラウド・クラウドと声高に叫びながらも、実はユーザーを自社の得意分野に誘い込む。昔ながらの戦略だ。クラウドがビジネスである限り、先に大きなパイを取った方が勝であることは昔も今も変わらない。このような大企業戦略と併走しながら、真にユーザー利益を追い求める次世代オープンソースクラウドが動き出している。トップバッターはRackspaceがNASAと始めたOpenStack、そしてSunのJavaエンジニアが興したCloud.comベースのアパッチCloudStack、最近ではVMwareからスピンアウトしたCloud Foundryなどだ。
彼らがクラウド第2幕の演者たちとなる日も近い。
市場の動きを良く見ると、AWSやMicrosoft Azure、更にはGoogle App Engine等の大手は自らの影響力を最大限に活かしながら、得意とする技術で顧客を引き寄せようとする。VMwareとCitrixの戦いも然りだ。しかしクラウドがもて囃されるのは、ソフトウェア技術(OSやミドルウェア、アプリケーション)やハードウェア(サーバー、ストレージ、ネットワーク機器)などを抽象化するからだ。それによって、ユーザーはハードとソフトの縛りから解き放たれる。つまりクラウドビジネスは、抽象化技術によって、ユーザーに自由な空間を、どれだけ安価に、どれだけ容易に提供できるかがポイントである。
しかし大手ベンダーたちは、クラウド・クラウドと声高に叫びながらも、実はユーザーを自社の得意分野に誘い込む。昔ながらの戦略だ。クラウドがビジネスである限り、先に大きなパイを取った方が勝であることは昔も今も変わらない。このような大企業戦略と併走しながら、真にユーザー利益を追い求める次世代オープンソースクラウドが動き出している。トップバッターはRackspaceがNASAと始めたOpenStack、そしてSunのJavaエンジニアが興したCloud.comベースのアパッチCloudStack、最近ではVMwareからスピンアウトしたCloud Foundryなどだ。
彼らがクラウド第2幕の演者たちとなる日も近い。
3) 消えた会社!
この数年の間にクラウドでは多くの会社が統合され、市場から消えていった。
これら多くの買収劇は市場が草創期から成長期に移る際に見られるいつもの現象だ。初期には沢山のスタートアップが登場し、次にそれらの統合が起こり、市場が新たな段階に進む。買収する側はどうやって自社を本流にするかを模索し、される側はまさに投資対効果のエキジットストーリーとなる。しかし、その多くは流れを作り出すことは難しい。下記は主な買収であり、別途、分析を試みる。
- CAによるグリッドOS 3Tera買収(2010/2)
- ストレージのNetAppが分散型ストレージGRIDのBycastを買収(2010/4)
- 全米5位の通信事業者CenturyLinkが3位のQwestを買収(2010/4)
- EAIツールCast IronをIBMがインテグレーションツールとして買収(2010/5)
- クラウドストレージParascaleはHitachi Data Systemsに吸収(2010/8)
- HPが仮想ストレージベンダー3Par買収(2010/9)
- DellがインテグレーションクラウドのBoomiを買収(2010/11)
- ストレージクラウドのZumoDriveをMotorola Mobilityが買収(2010/12)
- SalesforceがRubyクラウドのHerokuを買収(2010/12)
- VerizonがクラウドプロバイダーTerramarkを買収(2011/1)
- HPがビッグデータ分析のVertica買収(2011/2)
- CenturyLinkがSAVVIS買収(2011/4)
- NovellがSuSEをAttachmateに売却(2011/4)
- Dimension DataがクラウドプロバイダーOpSource買収(2011/6)
- バックアップCarboniteがフォト/ビデオ共有のPhanfare買収(2011/6)
- CitrixがCloudStackのCloud.comを買収(2011/7)
- バックアップCarboniteがフォト/ビデオ共有のPhanfare買収(2011/11)
- HPがウェブプリントの独Hiflexを買収(2011/12)
- GoogleがクラウドオフィスツールQuickoffice買収(2011/6)
- RightScaleがクラウドコスト分析のPlanForClaoudを買収(2012/7)
- VMwareがネットワーク仮想化のNicira買収(2012/7)
- VMwareがクラウド自動化ソリューションのDymanicOpsを買収(2012/7)
- MicrosoftがクラウドストレーレジベンダーStorSimpleを買収(2012/10)
- Citrixがモバイルデバイス管理Zenpriseを買収(2012/12)
- バックアップCarboniteがオープンソース同業Zamanda買収(2012/12)
- VMwareはストレージ仮想化のVirstoを買収(2013/2)
- GoogleがTalaria買収(2013/3)
- Microsoftがクラウドパフォーマンス管理MetricsHub買収(2013/3)
- Delllがエンタープライズクラウド管理ツールのEnstratius買収(2013/5)
- IBMがクラウドプロバイダーSoftLayer買収(2013/6)