2010年12月23日木曜日

Merry Christmas!


Long time ago in Bethlehem, so the Holy Bible say,
Mary's boy child, Jesus Christ, was born on Christmas day.

Hark, now hear the angels sing, a new king born today,
And man will live forever more, because of Christmas Day.

While shepherds watched their flocks by night,

Them see a bright new shining star,
Them hear a choir sing, the music seemed to come from afar.

Now Joseph and his wife Mary, come to Bethlehem that night,
Them find no place to born she child, not a single room was in sight.

Hark, now hear the angels sing, a new king born today,
And man will live forever more, because of Christmas Day.


2010年12月21日火曜日

Amazonへ移すならCloudSwitchだ! 
               -データセンターから外部クラウドへ-

CloudSwitchがこのところ人気だ。
CloudSwitch は、企業データセンターのVMware仮想環境上のアプリケーションをシステムごと、外部のパブリッククラウド上に乗せかえるツールだ。このプロダクトは ソフトウェアアプライアンスとして提供され、サイトからダウンロードして、仮想環境で走らせればよい。全ての操作はWebベースでクリック、そしてドラッ グ& ドロップするだけでいい。

◆ CloudSwitch の仕組み
このWebベースのクラウド移行ツールを使えば、WindowsでもLinuxでも仮想環境上にあるレガシーなアプリケー ションを簡単に外部クラウドに移行することができる。外部のクラウド利用で企業ユーザーがもっとも気にするのはセキュリティーだ。外部のクラウドとオンプ レミス間には一般にファイヤーウォールがあるが、CloudSwitchではEncrypted Tunnel技術を使って、ファイヤーウォールをくぐらせ、個々のクラウド上の仮想マシンを完全な独立空間とする。実際のソフトウェアやデータの移行には AES256の暗号化が適用されるので安全だ。またCloudSwitchでは、データセンター内で使われていたセキュリティーパラメータがそのままクラ ウド上に適用されるので、ほぼ同等のセキュリティー環境が出来上がる。

このツールが適用できる外部クラウドは今のところ、Amazonと Terremarkだ。
ここで、企業のデータセンターがVMwareで稼動しており、これをAWSに移行することをイメージしてみよう。 VMwareのマシンイメージはVMDKで、AWSのXenとは異なる。CloudSwitchでは、これを変換せずにそのままEC2上に移行させる。そ してコア技術の“Cloud Isolation Technology(特許申請中)”がこの2つをマッピングさせる。つまり、XenベースのAWSと移行したVMDKアプリケーションの間にCloud Isolation Layerが入って、ここで実行時に変換が行われるのだ。


◆ CloudSwitchの適用
実際の適用を見てみよう。
まず、 同社サイトに氏名やeMail、Passwordなどを入力してサインアップし、確認eMailに応えればダウンロードが可能となる。第1ステップのダウ ンロードではCloudSwitchのソフトウェアアプライアンスとドキュメントがZipファイルで提供される。そして本体となるCloudSwitch の実行ファイルはVMwareの仮想化環境上で稼働する。このため実行マシンは、VMwareの仮想環境か、最低限、無償のESX Playerが必要だ。ダウンロード
されたCloudSwitchには、OVF(Open Virtual Format)とVMDK(VMware Disk Format)の両方がついてくる。第2ステップはCloudSwitchの適用(Deployment)だ。メニューに従いOVFかVMDKを指定し、 VMware上へ展開する。次にCloudSwitchの初期画面でこのアプライアンスの名前やアドミンのPasswordを設定、さらにアプライアンス のIPアドレスとDNSを指定する。その後、ネットワークやデータベースの初期化などを実行して終了だ。最終画面ではアプライアンスとネットワークの情 報、そしてIPアドレスが表示される。第3ステップはいよいよ実行だ。最初にアクティベーション。これは、このCloudSwitchアプライアンスの利 用がトライアルなのか有料なのか、契約者や契約期間などを確認するためだ。次に実際にクラウドに移行させるシステムを指定する。画面の左は移行させるシス テムを探す“Browse VM Location”、右は乗せかえるクラウド指定の“Select Destination”だ。ここで移行するシステムはVMware環境上になければいけない。つまり、CloudSwitchはあくまで、VMware 環境のものを外部のクラウドに移行するツールである。例えばCent OS上で稼働しているSugarCRMを指定し、クラウドはAmazon EC2とする。次に、該当システムの実行環境(メモリーサイズやコア数、32ビットなど)を確認し、既にAWSのユーザーであればEC2のアクセスキーを 入力、これでデータセンターからAmazon EC2への移行が始まる。後はEC2を実行すればよい。実際のクラウド運用のライフサイクルには、クラウド上の仮想マシンの実行-Start、停止 -Shutdown、削除-Delete、名称変更-Rename、クローン作成-Cloneなどが用意されている。

2010年12月15日水曜日

SalesforceのHeroku買収が意味するもの!  
                      -Force.com再構築へ-

12月6~9日、San FranciscoのMoscorn Centerで始まったSnalesforce.com主催の恒例カンファレンスDreamforce 2010でCEO Marc Benioff氏から2つの重要な発表あった。ひとつはHerokuの 買収($212M)、もうひとつはBMC Softwareが過去に買収して部門傘下としたRemedyとの提携である。


◆ RubyホスティングのHeroku
Herokuとは不思議な名前だ。 Hero(ヒーロー)とHaiku(俳句)を重ね合わせた造語であり、Rubyを開発した松本行弘氏にちなんでRubyのヒーローになるためにつけた社名だという。HerokuはRubyのホスティ ングをPaaSクラウドとして専門に扱うプロバイダーとして2007年設立、HerokuGardenで有名になった。
この HerokuGardenとは、WebベースのIDEとしてRuby開発が行えるものだったが、ビジネスなどの問題があって今は中止となっている。同社の Ruby実行プラットフォームは、仮想マシンを使ってDyno Gridという仮想グリッドコンピューティング環境を作り、
この上でRubyのプロセスが並 行して動き出す。同社の初期は、このRubyの実行環境を自営センターで行い、その後、競合他社との価格競争からAmazon EC2に移行となった。そして今回の買収によって、Amazon EC2とForce.comの2つをサポートするか、Force.comに移行することになる。


◆ Force.com 2 への拡張
Marc Benioff氏によると、今回買収したHerokuは、Force.comの5つ目のプラットフォームとなる予定だ。PaaS整備を進める同社にとっ て、①部門アプリケーション開発向けのAppforce、 ②Webサイト構築プラットフォームのSiteforce、 ③ISV製品をデリバリーするISVforce、今年4月にVMwareと提携して実現した ④JavaフレームワークのSpringベース開発環境のVMforce、 今回の買収による ⑤Ruby開発環境の5つが勢ぞろいする。これらのプラットフォームサービスは、これまでの個別データベースから統合されたDatabase.comと 連携して提供され、氏はこれをForce.com 2として発表した。


◆ Salesforce.comの課題
Force.com 2への拡張と実際の計画には差異がある。
例えば今年4月に発表した VMforceはまだパブリックβにもなっていない。つまり、Force.com上への移植はそう簡単ではないのだ。そうこうするうちに、 Microsoft Azureの攻勢が始まり、一方でAmazonの進撃は止まらない。何とかクラウド御三家(Amazon、Google、Salesforce)の位置を 守り通さなければならない。下図のようにSalesforceのビジネスは、リーマンショックで一時落ち込んだものの、見かけは順調に伸びている。しかし この伸びは基本的にCRMのサブスクリプションだ。


売上げ 変動には幾つか大きなイベントが絡んでいる。
最初の大きな飛躍は、2005年9月に発表し、実際には2006年始めから動き出した AppExchangeだった。これまでの硬直したプラットフォームを整備し、APIやSDKを公開して、企業ユーザーやISVなどが開発したプログラム を公開・交換する制度だ。これによって既成品のCRMがカスタムメイドとなった。この計画を実行したのはSunから移籍したLew Tucker氏(現Ciscoクラウド部門CTO)だ。このAppExchangeの発表で同社は生き返り、売上げも一段と上を行くようになった。 2006年~2008年までの売上げを見れば、確かな実績がわかる。

◆ Force.comは成功するか
しかし米国のビジネス社会は休ませてはくれない。
そして次の目玉となったの がForce.comだ。Force.comの発表は2007年9月、CRMのSaaSから一段下のPaaSサービスの提供である。しかし、そう簡単には すすまない。問題のひとつは同社のプラットフォームの構造だ。今日の新しいクラウドプロバイダーは、一般に、IaaS→PaaS→SaaSと上位方向へビ ジネスを展開する傾向にある。AmazonのIaaSからPaaSが代表例だ。しかし、WebアプリケーションであるSaaSビジネスからPaaSや IaaSへの下位方向は、その構造がしっかりしていなければ難しい。Salesforceの場合、ここに素朴な疑問がある。もうひとつは、同社が Force.comで独自開発のプログラミング言語Apex Codeにこだわったことだ。Apexを使えばCRMの
カスタマイズやトリガー、ストアー ドプロシージャ、更にはビジネス・ロジックなどの作成が出来、かつJavaに似ているので習得は容易だとし、同社としてはこれを普及させたかったに違いな い。しかし、Apexの普及度合いはまったくのところ、解らない。VMwareと組んだSpringベースのVMforceもまだ動き出していな い。そして今度はRubyのHeroku買収である。この発表時には、Marc Benioff氏自身がいみじくもApexに固執し過ぎたと弁明した。Herokuにはかなりのデベロッパーがついている。今度こそ、Rubyコミュニ ティーを上手く引き寄せ、一方でJava SpringのVMforceを仕上げなければいけない。

2010年12月9日木曜日

動き出したOpen Data Center Alliance!

10月27日、大手企業によるクラウドデータセンターの標準化を進めるアライアンスOpen Data Center Alliance(ODCA)が動き出した。ODCAに参加したのはBMW、China Life、Deutsche Bank、JPMorgan Chase、Lockheed Martin、Marriott、National Austraralia Bank、Shell Global Solutions、Terremark 、UBS等のSteering Committee (運営委員会)メンバーと、さらにAT&TやCERN、ING、Motorola、Nokia、Savvis、Verizonなどの蒼々たる企業 が一般会員として名を連ねている。組織は運営委員会のもとにマーケティングとワーキングのグループがあり、この団体を実質的に主導したIntelが運営委 員会のテクニカルアドバイザーとなった。

◆ アライアンスの目的
こ のODCA参加企業は、クラウド環境に代表される次世代データセンターの在り方に問題意識を持ち、それに求められる相互接続性、柔軟性、業界標準をテーマ としたロードマップを作成、そしてこの基準マップを共有することで関連ベンダーへの協力要請を行う考えだ。既にアライアンスではこれをUsage Model(利用モデル)として0.5版を作成し、アライアンス発足と同時に公開した。ODCAの5つのワーキング・グループは、 ①Infrastructure、②Management、③Security、④Services、⑤Government & Ecosystemsに分れ、来年1Qには1.0版のリリースを計画 している。


Intelのクラウド2015ビジョン
このアライアンスを主導した Intelは、同日、“Intel Cloud 2015 Vision”構想をあきらかにした。この構想も、ODCAの立ち上げも、全てはIntel Cloud Builders Programに沿ったものである。このプログラ ムは、昨年11月、ソフトウェアベンダーの協賛を仰ぎ、Intelアーキテクチャー上で参加各社の技術を用いて、サービスプロバイダーやホスティング業 者、さらに大型エンタープライズのクラウド構築のガイドラインを示すものだった。その進化版である今回の構想では、2015年を目標に成長するクラウド利 用の“User”と“Data”、そして“Service”の効果的な連携を試みる。その上でこのビジョンをデータセンターとして実行させる共通基盤の策 定がODCAに課せられた命題だ。
Cloud 2015 Visionのポイントは3つ。
まず複数のクラウドプロバイダーを超えた通信 とデータ、サービスの容易なやり取りを実現する①Fedearated(連携)、次にクラウドサー ビスやリソースの特定、位置指定などを人手を介さずにかつ安全に実行する②Automated(自動化)、そして、これらのサービスを利用デバイスに依存 せずにシームレスな提供を可能とする③Client -Aware(クライアントの自動認識)だ。


アライ アンスに参加した約70社のメンバー企業は、それぞれクラウドコンピューティングの研究やプロジェクトを手がけており、各社の総IT投資額は年間 約$50Bにのぼり、業種も様々だ。Intelとしては、この強力な影響力をテコに、アプリケーションやリソース共有を可能とするクラウド間連携、そして 従来のPCだけでなく、スマートフォンやタブレット、車載ターミナルなどの違いを自動識別しながら実行できるクラウドの新世界を目指している。ODCAの 活動が上手く機能すれば、「クラウドの今後はどうなる」シリーズ(1234)で取りあげた幾つかの課題が解決される筈だ。

2010年12月6日月曜日

活況なクラウドインフラ市場!
                -クラウドの今後はどうなる(4)-

このシリーズの前回はマルチハイパーバイザー管理について述べた。
今回はComputeやStorageのエンジンとなるクラウド基盤 (Cloud Infrastructure)について言及しよう。これら2つの製品群(マルチハイパーバイザー管理とクラウド基盤)は、機能的に重複部分も多いが、こ こでは新しい市場であるので、敢えて分けてみた。
これらの登場の背景には、このシリーズ第1回で報告した仮想化とOSのタイトな関係にある。 Red HatがRHEL6以降でKVMのみをサポートし、VMwareはSUSE部門の買収こそ逸したがSUSEと緊密な関係を模索、勿論、Hyper-Vは Windows Serverに組み込まれている。こうなると、近未来、ユーザー企業は好むと好まざるとに係わらず、複数のハイパーバイザーを扱わなければならない。さら に仮想化ベンダーなどは、この分野でもクラウド基盤(vCloud、Xen Cloud Platform、Red Hat Foundation)の開発を進め、全方位の囲込みに余念が無い。下から上までの完全な囲い込みである。

◆ オープンソース勢の活躍
このようなビジネス最優先のベンダーのエゴは、 ユーザーの利便性を損う。
それに抗うように登場してきた新勢力が2つの製品群だ。多くはオープンソースである。理由はもちろん、ユーザーの声を代 表する製品を提供すること。ユーザー企業の望みは、OS組み込みのハイパーバーザーの如何を問わず、リソースをダイナミックにコントロールして、その上 に、自由な仮想マシン空間を作ること。この機能がマルチハイパーバイザー管理分野の最終目標だ。しかし、マルチハイパーバイザー管理とは言っても、現段階 ではXenとKVMをカバーするものが多く、どちらにでも対応ができるが、同時に管理できるものは少ない。その上のクラウド基盤も特定のハイパーバーザー だけでなく、出来れば複数のハイパーバイザー上でComputeとStorageエンジンの稼働を目指している。もし、この2つの分野の最終目標が実装で きれば、ユーザー企業に計りしえない恩恵を与えることができる。

◆ ク ラウド基盤製品の特徴
この分野の製品を見てみよう。
Cloud.comは元SunのJVM(Java Virtual Machine)のリードデベロッパーだったSheng Liang氏がFounderだ。現在の製品(CloudStack 2.0)はマルチハイパーバーザー(Xenと KVM)を基本に、さらにクラウド基盤領域にも拡大したもので、今後はOpenStackとの調整を図るものと見られる。オープンソースと商用版があ る。(Cloud.com詳細記事

EucalyptusはUC Santa Barbara(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)で開発されたオープンソースで、AWS (Amazon Web Services)の基本機能EC2/S3/EBSとAPIレベルの互換性を持ち、XenかKVMの仮想環境で稼働する。このためAWSのプライベートク ラウド構築インフラとして人気となった。その後、コマーシャルサポートのEucalyptus Systemsを設立。元MySQLのCEOだったMarten Mickos氏が率いている。

NimbusはGobus Toolkitで有名なGlobus Allianceとエネルギー省傘下のArgonne National Laboratoryが共同で進める
プロジェクトだ。初期の GlobusはGrid Computingをベースに始まったが、独自のリソース管理をWSRF(Web Service-based Resource Framework)に変え、さらにNimbusになってクラウドを念頭においたWork Space Serviceを開始した。このシステムでは仮想化技術で作られる無数の仮想マシンを利用してグリッド処理と通常のクラウド処理が実行できる。
NimbusとOpenNebulaの詳細記事

スペインの大学 で始まったオープンソースのインフラ基盤OpenNebulaは、スペイン政府の援助、さらにはEUの支援を受け、欧州で勢力を拡大している。扱える仮 想化はXen、KVM、VMwareだが、さらにはDeltaCloud APIを介してAmazon EC2や英Elastic Hostなどにも対応済みだ。このプロダクトの仮想インフラマネジャーは瞬時にシステムサイズの変更ができるDynamic Resize機能やクラスターサイズを動的に変更するDynamic Cluster Partionningなどを実装している。(DeltaCloud詳細記事

OpenStack.orgはNASAの 協力で始まったRackspaceのインフラ基盤プロジェクトだ。このプロジェクトではシリコンバレーにあるNASA Ames Research Centerが開発したクラウドNebulaのCompute
エ ンジンとRackspaceのObject Storageエンジンをベースにして、一般のService Providerや大手企業のクラウド構築を目指している。このオープンソース基盤が一般化すれば、クラウド間の自由な移動が可能となり、新しい世界が開 ける。

Amazonク ラウドを開発したChris Pinkham氏が興したNimbulaのNimbula Director(β版)はXenとKVMをカバーし、複数データセンターに対応する。これによって、Amazonと同様の機能を企業向けのプライベート クラウド版として出荷することを目指している。(Nimbula詳細記事





さ て、問題は仮想化ベンダーの戦略が成功するかだ。
各ベンダーの囲い込みはすさまじい。先行するVMwareはvCloudを開発し、追うように Xen/Citrix組もXen Cloud Platformプロジェクトをスタート、次いでRed HatもCloud Foundationを開始した。しかしながら、現状ではVMwareが当初狙ったデータセンター市場での評判はいまひとつ、Xenは開発途上、 Red Hatも始まったばかりである。これに対抗するオープンソースを主とした新勢力が頑張れるかは予断を許さない。
彼らが勝つ条件は、複数のハイ パーバーザーを同時に制御し、それらを束ねた効果的なダイナミック・リソースコントロールを実現することだ。その上でインフラ基盤が動けば、風向きは大き く彼らになびく。