2017年5月23日火曜日

AutoTech(22)  Waymoは新境地を見出せるか!
             -シェアードビジネスへの進出-

5月14日、Uber騒動を横目にWaymoLyftの協業に関する記事がThe New York Timesに掲載された。それによると、両社の事情を知る人の話として、2社の協議は昨年夏から始まったと言う。そして、Lyftの2人の創業者(現CEO Logan Green氏&現社長John Zimmer氏)とWaymo CEOJohn_Krafcikとの間でかなりの議論が交わされ、両社のメリットが確認されて今回の提携となった模様である。

=なぜ、Waymoは独立したか!= 
WaymoがGoogle Carをビジネスとする子会社として独立しは、昨年の暮れだ。
理由は幾つかあるが、大きなものは、いくらGoogleとは言え、膨大な開発資金のかかるGoogle Carをどんぶり勘定のままにはしておけない。そして、Level-4の完全なオートノマスビークルを目指したい開発部門と、そろそろビジネスに組み上げたいマネージメントが対立することとなった。会社は、2015年9月、Krafcik氏を部門CEOにスカウトした。氏は卒業と同時にGMとToyotaの合弁だったNUMMIに入り、その後、15年間Fordで勤め、そしてHyundai Motor AmericaのCEOとなった人である。一方のエンジニアリングは、今やUber騒動の渦中にいるAnthony Levandowski氏が昨年1月に退社し、もう一人のCTOのChiris Urmson氏も同8月に退社した。この流れの中で、昨年5月、GoogleはFiat Chrysler Automobiles(FCA)と提携し、Chrysler Pacifica HybridにGoogleCarの機能が移植されることとなった。また昨年8月末には、ワールドワイドに展開する民泊サイトAirbnbのトップエクゼクティブのShaun Stewart氏をスカウトして、開発よりもビジネス指向が鮮明となった。
=Waymoがシェアードビジネスを狙う!=
周知のように、全米2位のライドシェアリングサービスを展開するLyftは、GMから$500Mの資本を受け入れており、GMの開発したオートノマスビークル(Autonomous Vehicle-自動運転車)Chevy Bolt EVの公道テストを予定している。そして、今回の提携である。両社に共通するのは「打倒Uber」だ。Waymoにとっては、Uberの初期に、Google Venturesがいち早く$258M資本を入れ、ボードにも役員を送り込んだが経営のコントロールは上手く行かなかった。そして今回のゴタゴタである。Lyftにとっては、勿論、ライドシェアリングの首位を狙うことだ。もうひとつ、考えられる理由がある。それはGMの提供するオートノマスビークルChevy Bolt EVが果たしてどの程度の出来具合かである。Waymoと提携すれば、その不安はなくなる。UberはFordと提携し、オートノマスビークルFord Fusion Hybridの提供を受けながら、一方でOttoを買収して自社開発の2本立てへ突き進み、大きな問題を引き起こした。同じ轍は避けなければいけない。これらがWaymoと提携した理由である。

=新たなシステムを投入!=
一方のWaymoは、昨年12月、FCAと共同開発した100台のオートノマスビークルChrysler Pacifica Hybridを受け取り、今年初めからアリゾナ州で公道テストを開始した。結果は順調で、4月25日、さらに500台を追加して、アリゾナ州内での一般向けEarly Rider Programを実施すると発表。これは本格的なライドシェアリング参入の布石だろう。しかし、Waymoも、FCAもライドシェアリングについては、LyftやUberが持っている様な十分な知識と経験が無い。ここがLyftと提携した理由である。もし、オートノマスビークルのChrysler Pacifica HybridをLyftに提供し、公道でのテスト運用が始まれば、大きな成果が得られる。

そして、5月中旬、アリゾナでのEarly Rider Programに使われる車に新たなハードウェアの投入があることが解った。Google Carがアリゾナへ公道テストを拡大 したのはちょうど1年前のこと。以来、屋根の上にあるこの車の目となるLiDARは、雨上がりの後の砂や鳥の糞に悩まされた。そして登場したした小さなワイパーを備えたシステムがこのビデオにあるものだ。360°の完全な視界を確保することは、搭乗者にも歩行者にも大きな安全を与える。今年の夏には、このシステムが霧の町サンフランシスコを走り回るかもしれない。

2017年5月20日土曜日

AutoTech(21) 法廷闘争の行方!
               Waymo .vs. Uber/Otto

Alphabet傘下でGoogle Carの事業会社となったWaymoが全米最大手のライドシェアリングのUber Technologyとその子会社のOttoを訴えたのは2月23日のことだった。理由はGoogle Carに関する企業秘密を盗み出し、利用しているというものである。この日のNew York Timesは、Waymoの主張として、Googleを退社したAnthony Levandowski氏が退社前に14,000ファイルの企業情報を持ち出し、その後、昨年1月、Self-Driving Carの開発会社(後にOttoとなる)を設立、そして同8月18日、同社をUberに$680Mで売却したと報じた。これに対し、同じThe New York Timesは、4月7日付で、Uberの主張として、Waymoからドキュメントは盗み出していないし、技術も使っていないUber Denies It Is Using Stolen Waymo Technology) とする反論記事も掲載して、真っ向から対立する状況となった。

=Levandowski氏の不可解な行動!=
Source:LinkedIn
ここで注目されるLevandowski氏はGoogle Self-Driving Carプロジェクト当初からのキーマンの一人だった。他には、初期のGoogle Carをリードし、Google Mapsの共同開発者でもあった
Sebastian Thrun氏と、その後、同プロジェクトのCTOになったChiris Urmson氏がいる。Thrun氏はAIの専門家でStanford大の自動運転車
StanleyDARPA Grand Challenge 2005で優勝に導いた人である。Levandowski氏もこの時期、UC Berkeleyで自動運転バイクを手掛けてGrand Challengeに挑戦していた。そして2007年、Google Maps開発を行っていたThrun氏のチームに参加することとなった。問題の氏が設立したOttoは、全米のフリーウェイを走る大型トラックをLiDAR技術を核にオートノマスビークル(Autonomous Vehicle-自動運転車)に仕立てるスタートアップである。Uberは、この技術で自社用オートノマスビークルを作り、将来、これらを全面展開してドライバーレスのタクシーを目指そうと計画した。UberはこのためVolvoと提携、これにOttoの技術を移植したVolvo XC90の試験車がお目見えしたのは、昨年9月のことだ。しかし、どうにも話が出来過ぎるている。

=Waymoからの訴状!=
正確にWaymoの主張を見てみよう。
同社から出された訴状では、WaymoはUberが、①連邦営業秘密法Uniform Trade Secret Act)及び②カリフォルニア州の営業秘密法、さらに③カリフォルニア州の不正競争法BUSINESS AND PROFESSIONS CODE SECTION 17200に違反していること、Levandowski氏はLiDARとその他のコンポーネントの設計資料を盗み出して開発会社のOttoを作り、それをUberに売り渡したとしている。ただ、売却後、Uberの開発責任者(VP Engineering)となったAnthony Levandowski氏やUberはそのような事実はないと全面的に否定している。


訴状の主張する主要なイベントは以下のような流れだ。
1) 2015 夏     … L氏はUnberと面談、会社作り等を話したと同僚D氏に漏す。
2) 2015/11/17 … L氏は280 Systems社(後にOttoとなる)を登記。
3) 2015/12/3   ... L氏はWaymoのデザインサーバーへのアクセスを調査。
4) 2015/12/11 ... L氏は9.7GBの情報をダウンロード。 
5) 2015/12/18 ... L氏自身のPCをWindowsからGoobuntuへリフォーマット。
6) 2016/1/4    ... L氏はGoogle Driveクラウドから技術文書をダウンロード。
7) 2016/1/5     ...  D氏はL氏がWaymoを自分の会社で複製すると語ったと証言。
8) 2016/1/11   ... L氏はGoogle Driveから開発スケジュール等をダウンロード。
9) 2016/1/14   ... L氏のUber訪問をD氏が質すと認め、投資家探しだと説明。
10) 2016/1/15 ... L氏はUber訪問の翌日、正式に280 Systemsを組織化。
11) 2016/1/27 ... L氏は予告なしにWaymoを退社。 

12) 2016/2/1   ... L氏はOtto Truckを組織化。
13) 2016 春   ... Uber CEO
Travis Kalanick氏がOtto買収に興味を示す。 

14) 2016/5/17 ... Ottoがステルスから抜け出たと宣言。
15) 2016 8月   ... L氏はGoogleから最後の数百万ドルに及ぶボーナスを受領。
16) 2016/8/19 ... ボーナス受領後、直ちにUberがOttoを$680Mで買収。 
17) 2016/12/13.. Waymo社員に誤配「Otto Files」メールからこの事件が発覚。
18) 2016/12 - 2017/2 ... WaymoはOttoが同社のLiDAR設計転用の有無を調査。
19) 2017/2/9   ... Otto運転免許を出したネバタ州情報公開から使用がほぼ判明。
20) 2017/2/23 ... Alphabet/WaymoがUberを相手に控訴ファイリング。 

=Waymoが有利か!=
以上見てきたように、Anthony Levandowski氏の容疑はかなり濃厚なようだ。
Uber幹部と接触しながら綿密に計画し、Googleの仲間を誘い出してOttoを作った。Ottoの売却資金で誘った社員にも良い思いをさせ、自分はちゃっかりとUberの自動運転車開発の責任者に就任。このまま終われば、まさに映画のようなストーリーだった。
ボロが出たのは外部企業メールに間違って入ったccのWaymo社員のアドレスだった。完全な事故である。WaymoのGoogle CarはこれまでVelodyne製のLiDARを用いていたが、高価格で使いにくいことから、自社設計して外部委託生産へと切り替えた。このカスタムLiDARとメールに添付されていた図面は酷似している。OttoがUber向けに改造した初期のVolvo XC90には、旧型Google Carと同じVelodyneのLiDARが屋根に乗っていた。しかし、今は上にある写真のように新型Google Carと同様に小型化されている。また、ネバタ州へOttoが出した自動運転車試験免許の申請書には、64chのLiDARとあり、これもWaymo自製のLiDARと同じである。こう見ると、状況証拠は十二分だ。しかし、これだけで立証できるだろうか。Waymoは3月10日、控訴内容をさらにUberの現自動運転車開発プロジェクトの停止を求める訂正(Amend)を裁判所に出した。その後、4月27日付のBusiness Insiderは火中のLevandowski氏がUberの自動運転車開発の責任者から降り、LiDAR開発にも関与しないと報じ、5月11日には裁判所判事が司法省に対し、企業秘密盗用の可能性を捜査するよう指示した。Uberにとって、状況はどんどん悪くなるようである。

2017年4月27日木曜日

AutoTech(20) Waymoが500台追加、タクシー化を試行!
               -Early Rider Program-

Waymoの動きが活発になって来た。
Googleの持ち株会社Alphabet Inc.傘下で先端技術開発を担当するX-CompanyからGoogle Self-Driving Carを昨年12月13日に事業会社として引き継いだのがWaymoだ。新社名は「a new WAY forward in MObility-移動のための新しい道)から採ったという。これに先立って、Googleは、昨年5月、Chrysler(FCA)と提携、人気のミニバンChrysler Pacifica HybridにGoogle Self-Driving Carの専用ハードウェアとソフトウェアを搭載し、実用化に向けた本格テストを実施するとしていた。そして、12月には公道テスト用の100台が出来上がった。両社の開発チームは緊密に連携し、Googleのテクノロジーにより良く適合させるため、電装系だけでなくパワートレインなどにも変更が加えられたという。実際のところ、昨年10月までにプロト車を仕上げ、Chrysler側はミシガン州チェルシー(Chelsea)とアリゾナ州ユッカ(Yucca)、Waymo側はカリファルニア州マウンテンビュー(Mountain View)のテスト施設でテクノロジーテストが行われた。こうして最終形が出来上がった。完成までにかかった時間はわずか半年。

気になるのはGoogle Carの目となるLiDAR(Light Detection And Ranging)の価格だ。Waymo CEOのJohn Krafcik氏によると、2009年、初代のGoogle Carに搭載された外製品は何と$75,000(750万円 ... $1≒¥100)だそうだ。そして、今回のLiDARは内製品で、価格はたったの$7,500(75万円)だという。勿論、内製品とは言っても、Waymoは設計のみで、実際の制作は外部企業である。さらに氏はWaymo製のLiDARには、近距離と遠距離用の2つがあるという。確かにChrysler Pacifica Hybridには2種類搭載されており、屋根の上が遠距離用、前後左右のものが近距離用らしい。

=500台追加、そしてタクシー化を試行!=
4月25日、Waymo CEO John Crafcik氏はblogで、WaymoはFCAと共同開発した自動運転車を500台追加して、アリゾナ州フェニックスで一般人を対象としたEarly Rider Programを実施すると発表した。まさに、自動運転タクシーの試行である。一般のアメリカ人の移動は忙しい。夫婦は別々に職場へ、子供たちは学校へ、ショッピングへ、教会へ、サッカーの練習など、全ては車によらなければならない。Waymoは実際にどのような移動のニーズがあるのかを探るために、このプログラムを実施する。申し込みはフェニックス・メトロポリタンエリア(Chandler, Tempe, Mesa, Gilbert.)に在住する18歳以上の個人で、その家族は一緒に同乗できる。申し込み後、Waymoからのメールによるインタビューに答えて選ばれればOKだ。後は、前記の市内で自由にGoogle Car(Chrysler Pacifica HybridかLexus RH450h)を捕まえられる。利用後はその感想をフィードバックすることが義務だ。Waymoはこれら計600台以上の車を使って、真の輸送ニーズを洗い出す。想像だが、狙いは2つ。まず、新たな輸送ビジネスの開発。もうひとつは、Level-4の完全自動運転車の開発である。


2017年4月17日月曜日

AutoTech(19) Appleの戦略転換!   
             -Appleの自動運転とは何か?-

先週の金曜日Wall Street JournalNew York Timesなど各紙はAppleがカリフォルニアで自動運転のテストを開始すると報じた。きっかけとなったのは、カリフォルニア州のDepartment of Motor Vehicles(DMV)サイトの自動運転車公道テスト許可リストの最後となる30番目にApple Inc.が掲載されたことである。こうして大騒ぎとなり、報道合戦が始まった。報道によると、DMVの話として、3台のLexus RX450hとそれを操作する6人のドライバーに許可があたえられたとのこと。解ったことはそれだけだ。

=Project Titanの憂鬱=
 当サイトでは昨年9月13日付けで、Apple Project Titanの憂鬱という記事を掲載した。この記事を振り返り、少し整理を試みよう。プロジェクトが始まったのは2014年のこと。この世界の開発競争は凄まじい。他社に追いつけるのか、不安が募った2015年3月の Apple株主総会ではTesla買収提案まで投げかけられた。しかし、何も起こらなかった。Appleは人材をかき集め、巨費をつぎ込んでオートノマスビークル(自動運転車-Autonomous Vehicle)の自力開発に突き進んだ。だが上手く行かず、元FordのエンジニアでAppleに16年在籍したSteve Zadesky氏が昨年1月に退社。彼こそドリームカー、つまりiCar(コードネーム:Titan)のリード役だった。それから半年、後任人事は難航し、SGIからAppleに移り、長年、ハードウェア部門のトップとして活躍してきたBob Mansfield氏が返り咲きとなった。そして昨年7月末には、車載機などに使われるリアルタイムOS QNXの共同開発者兼元CEOのDan Dodge氏がApple入りし、Mansfield氏のもとで働くことになった。ただ、この空白の半年の間、1,000名を超えると思われたプロジェクトは動揺し、多くの退職者が出たという。多くの報道は、ここまでで、それ以降の話は途絶えていた。

 =QNX連携に転換か!=  
Dan Dodge氏のApple入社には重大な意味がある
ここからは筆者の想像だ。Appleは昨年初めの時点で戦略転換を決めた。つまり、自動運転車の開発を止め、新たな方向に向かい出した。その答えはQNXにある。QNXはカーナビ等車載機OSとして定評があり、安定性やセキュリティーなど多くの実績を持っている。そしてAppleとはパートナー関係だ。Appleにはこの分野と関連するMapsInfotainmentを扱CarPlayがあり、QNXとiPhone/iPadの連携ができる。昨年のCES 2016でQNXはNew Platform; Automated Driving Systemを発表。これはQNX上でAdvanced Driver Assistance Systems (ADAS-運転者支援)を実現するQNX Platform for ADASがベースだ。これで全体の流れが読めるだろう。Appleは車の開発をあきらめ、このプラットフォームとの連携に舵を切ったのだ。CES 2016の前後、この製品を精査し、乗り換えを決め、新しいボスとQNXからDan Dodge氏を招へいしたこの戦略変更に伴って、Appleは昨年1月、QNXのあるオンタリオ州に大きなオフィスを借りた。ここが新たな戦略のR&Dセンターだ。Dodge氏にはかなりのエンジニアがQNXからついてきた。そしてQNXもAutonomous Vehicle Innovation Centre(AVIC)を開設し、両社のエンジンが回りだした。


=新戦略はiPhone/iPadビジネスを支える!=
こうして、Project Titanは、オートノマスビークルからCarPlayを活かす新たなCar OS開発へと方向転換した。主力製品のiPhone/iPadを活かしながら、自動運転を探る道である。QNXは1980年、学生だったGordon Bell氏とDan Dodge氏の二人がUnixベースのRealtime OSを開発したことが始りである。社名はQuantum Software Systems、その後、QNX Software Systemsとなり、そして、2004年、米車載機メーカーのHarman Internationalに買収された。この時期から車載機OSへの特化が鮮明となった。2010年にはReseach in Mortion(現BlackBerry)に譲渡され、QNXと統合したBlackBerryも登場。Cisco IOSもQNXベースと言われている。
そして、今度はiOSとQNXの統合である。 競合各社の実車テストはまっさかりだ。何としてもAppleらしい製品に仕上げたい。技術的にはカーナビはiPhone/iPadで対応し、自動運転はQNX上で処理する。カリフォルニア州のDMVから認可されたテスト用のLexus RX450hにはQNXの車載機が装備されるだろう。そして、新たなCar OSが試される。QNXを支持する車載機ベンダーは多く、現在、世界中の約6,000万台に搭載されている。このQNXユーザーに膨大なiPhone/iPadのユーザーを組み合わせることが出来れば大きな市場となる。新規に車を開発するのではない。現実的なソリューションを見出すのだ。自動車メーカーがこれを採用するか、車載機ベンダーが幾つかのセンサーを組み合わせた自動運転キットを開発するか、もしかしたら、Appleから自社ブランドの自動運転キットだって飛び出す可能性がある
まだ、想像の域を出ないが、いずれその姿が見えてくる。

2016年11月12日土曜日

AutoTech(18) Bill Ford氏の夢!

オートノマスビークル(Autonomous Vehicle-自動運転車)は、現在の市販車がLevel-1か2だ。そして近々Level-3へ、さらに5年以内にはドライバーの要らないLevel-4へと向かうだろう。Googleは2020年のLevel-4実用化を目指し、Fordは2021年には配車サービス向けのLevel-4量販車を出すと公表している。
実際のところ、世界の自動車生産は飽和しつつある。
Morgan Stanlyの調査によると、現時点の年間成長率は5%弱、数年先には完全にフラットだ。一方でShared Carの伸びは2030年には15%を超える。つまり、ゆっくりと、車は所有するものから利用するものへと移っていく。自動車産業の抱える課題はこれへの対応だけではない。環境問題、交通渋滞、事故の多発などをどうするのか。これらを総合的に解決し、より高いレベルのソリューションを見つける出すことが望まれている。オートノマスビークル開発は、そのための第一歩だ。

=Ford氏とシリコンバレー!=
Ford Motorsが車をモビリティー(移動体)として捉え始めたのは、Bill Ford氏の影響である。氏は創業者Henry Ford氏のひ孫にあたり、1979年にFordに入社した。その後、幾つかの部門で経験を積み2001年CEOとなった。氏は車社会の環境問題や省エネについて、将来像を考えていた。氏は当時から開発に着手していたEV戦略を推進したかったが、当時の原油安からくる大型化の波には勝てなかった。悩んだ末のピックアップやSUVなどの大型車シフトは、当初こそ上手く行ったが、その後は、これが命取りとなって赤字に転落。2006年にCEOを退任して会長となった。この間、氏の秘蔵っ子として、傘下のMazda再建にCEOとして1999年から3年間広島に送り込まれたのが、現CEOのMark Fieldsである。Ford氏の後任としてCEOになったのは、元Boeing EVPのAlan Mulally氏だ。氏は確かな手腕で業績を急回復させ、一時はJagerやRand Lover、Volvoなど傘下に収めるまでになった。Mulally氏のCEO就任(2006/9-2014/7)と同時に、日本から戻っていたFields氏は北米担当の部門長となり、その後、2014年7月から現職のCEOとなった現在、Fields氏は、自らFordのオートノマスビークルを牽引する旗振り役である

Fordとシリコンバレーの関わりに触れてみよう。
2005年7月に遡る。当時、Bill Ford氏は大学時代の同窓Meg Whitman女史(現HPE CEO)に請われて、女史がCEOをやっていたeBayのBoard Memberに就任した。以来、Ford氏はシリコンバレーとの関係を密にするようになり、Tesla Motors初代CEOで創業者のMartin Eberhard氏ともその頃に知り合うことになる。Ford氏は会長となった後も大きな影響力を持ち続けた。その影響を最も強く受けたのが現CEOのMark Fields氏である。Fields氏はハイテク企業との連携は欠かせないとして、シリコンバレーに2015年1月、Research Centerを開設。以来、このセンターがFordのオートノマスビークル開発の中心となっている。
以下のビデオはTED2011で行われたBill Ford氏のプレゼンだ。
タイトルはA future beyond traffic gridlock(交通渋滞のない世界を目指して)。Ford氏は環境問題や世界的に増えつつある交通渋滞についての問題認識を示し、この中で、Smart Road(賢い道路)や環境に優しいSmart Transportation(賢い交通機関)に言及している。



=モビリティーへの青写真!=
Bill Ford氏は、創業家の血筋もあって、車を愛している。
その車が環境汚染や渋滞、事故などを引き起こしていることに心を痛めていた。
車は本来、人の役に立つものである。これらのマイナス面は改めなければいけない。そして、Ford氏の考えは更に進み、MWC2012(Mobile World Congress)で、これまで考えてきたことをBlueprint for Mobilityとして発表した。この中で課題の総合的な解決には、Smart Transportation構築が欠かせないとし、そのためのインテリジェントな車テレコム業界を巻き込んだネットワーク作りを呼びかけた。氏の考えでは、オートノマスビークルは、このためのインテリジェントでネットワークと繋がるコネクテッドカー、つまり、モビリティー(移動体)だ。このシステムが出来れば、車は渋滞している交差点や地域を避けたり、互いの衝突を回避できる。車自身の進化によるオートノマスとそれらをコネクテッドカーとしてネットワーク連携させ、全体的なコントロールを行おうという発想だ。Fordは、このシステムの実現のために、短期(5-7年)、中期(2017-2025)、長期(2025+)のマイルストーンを設定。これに沿って、オートノマスビークル開発と並行し、ネットワークを具現化させる特別仕様のカーナビFord Sync*1)も開発した。2007年のことである。その後、改良を重ね、現在のSync3はタッチスクリーンで音声コマンドを認識するまでになった。
=Ford Mobility Companyへ!= 
Bill Ford氏の夢の道程(みちのり)は長い。
FordのLevel-4が出てくるのは2021年だ。Sync3は既存車から搭載が始まった。しかし、他社やテレコムとの協業によるネットワーク化はこれからだ。CEO Mark Fields氏は、計画全体を加速させるため、CES 2015のKeynoteで25の実験プロジェクトを世界中で始めると宣言。これらは、同社のチャレンジ制度の応募から選ばれたものである。そして、9月中旬からは、Ford Fusion HybridベースのオートノマスビークルがUber向けに改良されて、公道実験が始まった。 

 
 
Fordはまた、自身のビジネスモデル改革にも取り組み始めた。
今年3月、シリコンバレーのパロアルトとミシガンディアボーンで活動するための子会社
Ford Smart Mobility
を設立。この会社のミッションは、モビリティーサービスへのシフトに向けたビジネス設計と投資だ。最初の案件は、9月初めに実行されたChariotの買収である。Chariotはサンフランシスコ市内を中心とした固定28ルートを走る通勤用ライドシェアシャトルバスだ。約100台のバスは全てFord製。スマホを見れば全シャトルの位置が解り、オンデマンドで呼び出すことが出来る。新会社はまた、全米で自転車ライドシェアを展開するMotivateと提携し、サンフランシスコ市内でFord GoBikeも開始した。これらのサービスは、将来的に既存バスを置き換え、市民にもビジターにも便利な足となる。これは実験システムとしてサンフランシスコ市に向けた提案だ。そして2021年、UberがOttoベースの自社開発車だけでなく、Fordのオートノマスビークルを使ってくれれば良いし、NGなら、Chariotはそのバックアップを担うモビリティーサービスの柱となるだろう。そしてLevel-4のChariotシャトルが音声認識搭載のSyncを積んでベイアリアを走り回り、互いにネットワークを介して、渋滞回避や効率的な運行を行う姿が見えてくる。
Bill Ford氏の夢は少しづつ現実のものとなりつつある。

(了)

 
 

2016年11月6日日曜日

AutoTech(17)  ドライバーレスシャトルバスの5社!

オートノマスビークル(Autonomous Vehicle-自動運転車)の開発競争は、通常のセダンに始まり、輸送用のトラック、そして小型のシャトルバスでも活況だ。
今回はドライバーレスのシャトルバスについて纏めてみた。

=フランスのNavyaとEasyMile=
この分野では仏2社が目立っている。NavyaとEasyMileだ。
まず、Navyaから見てみよう。通常のオートノマスビークルに比べ、シャトルバスの開発は条件的に有利である。バスの運行経路が決まっていること、スピードが中速であることなどだ。ただ、その分、初めからLvel-4を目指さなければいけない。Navyaの開発した無人シャトルの製品名はARMAだ。この車が初めて本番導入されたのは2015年12月。アルプスのふもとでワインの産地として知られるスイスのSion市でのこと。導入の決定は、スイスの公共交通バスPostBusによってなされた。実際のところ、このシャトルの制御用のソフトウェアは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL - École Polytechnique Fédérale de Lausanne)の卒業生によって設立されたBestMileが開発したものである。つまり、Navyaとは言ってもBestMileとの合作だ。ARMAは15人乗り、最高速度45km/hで走り、バス停で乗り込んだ乗客は社内のディスプレイ上で行先をタッチして知らせる。ARMAには、GPSやLiDAR、カメラ、走行距離計(Odometer)が装備されているが 何か問題が発生すれば、リモートステーションとやり取りができる。今年8月からは、オーストラリアで、米国AAAと同様に自動車保険などのサービスを総合的に提供するRAC(Royal Automobile Club)主導による実験も始まった。
 
 
フランスの2社目に紹介するのはEasyMileだ。日本でも7月にDeNAが提携して、イオンの敷地内での走行実験が始まったので記憶にある人も多いだろう。EasyMileの本社は、仏南西部のトゥルーズでシンガポールとデンバーに支社がある。実際のところ、この会社は仏小型車メーカーLigierと自動運転ソフトを開発するrobosoftのジョイントベンチャーだ。robosoftは30年の歴史を持ち、各種のロボット製品を開発している。このような事情から、前述の仏NavyaはVC投資を受け入れているが、EasyMileは自社運営となっている。開発した車はEZ10だ。EZ10には3つ(メトロ、バス、オンデマンド)のモードがある。メトロモードは決められた路線を走り、駅となる停留所に止まる。バスモードでは乗降客のリクエストによって、路線内の停留所に止まる。さらにスマホからのリクエストで路線内の任意の場所で停車が可能なのがオンデマンドだ。Ez10は12人乗りで、予め作成した地図データ上の設定ルート上をカメラや各種センサー、GPSを用いて自動走行する。既にEZ10は、パリやドバイ、オランダのアッペルスカ、フィンランドのヴァンター、前述のNavyaと関連のあるスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)などで試験導入が始まっている。


=米国の2社、Auro RoboticsとLocal Motors=
米国にもオートノマスシャトルを開発するベンダーが2社ある。
Auro RoboticsとLocal Motorsだ。Local Motorsが開発したOlliはメリーランド州ナショナルハーバーで市内観光シャトルとして公道実験が始まっている。このシャトルバスのガイド役はIBM Watsonだ。詳細は既報で述べたので参照されたい。Local Motorsはアリゾナがベースだが、もう1社のAuro Roboticsはシリコンバレーのサニーベールだ。創業者はCEOのNalin Gupta氏、CTOのJit Ray Chowdhury氏、CPOのSrinivas Reddy氏の3人ともにインド工科大学カラグプル校Indian Institute of Technology, Kharagpur(IIT)の出身である。彼らは学生時代にオートノマスビークルに興味を持って研究を始め、そしてシリコンバレーにやって来た。目指すのは、学校のキャンパスやアミューズメントパーク、リタイアメントコミュニティー内などの移動用シャトルだ。つまり、これらの私有地内なら規制が緩いからだ。創業は2015年、スタートアップのインキュベータ Y Combinator Summer 2015 Demo Dayに登壇して支援を取り付けた。まずは電動ゴルフカートを改造してプロトを作った。最初に適用私有地内の3Dマップを作成し、これにカート装備のLiDARで360°の外部状況を重ね合わせる。こうして精度をあげ、現在は、カリフォルニア州内の複数の大学で走行テスト中だ。今後は車体を下のビデオ(案)のように改良して、月額$5,000(約50万円)/台程度の利用料金制とする予定だ。



=カナダのVarden labs=
カナダのVarden Labsは、育ちも狙いもAuro Roboticsと良く似ている。
Varden Labs は今年3月のY Combinator Winter 2016で登場したニューフェースだ。Auro Roboticsは半年先輩でY Combinator Summer 2015だった。そして共同創設者はCEO Alex Rodrigues氏とMichael Skupien氏、Brandon Moak氏の3人。これも同数だ。そしてAuro Roboticsの3人がIITなら、彼らはカナダのUniversity of Waterloo在学中に知り合った。そして中退、シリコンバレーのサンノゼに家を借り、そこを本拠に開発に取り掛かった。目指すマーケットも製品もAuro Roboticsと同じ、大学キャンパスなどの私有地で、その中をゴルフカートによく似た車が走り回る。走行モードは敷地内の規定ルートでバスストップに止まるバスモード、もうひとつは規定ルートのどこでも止まるオンデマンドモードだ。現在、6つの大学キャンパスで有料の実地試験が行われている。シャトルの運用料金は年間で$50,000(約500万円)。Auro Roboticsは月額制、Varden Labsは年額制だが、これも似たような金額である。さて、どちらに軍配があがるのだろうか。



2016年10月18日火曜日

AutoTech(16) 
    グローバル化とシステム化が進む自動運転車開発!

このところ、一段とオートノマスビークル(Autonomous Vehicle-自動運転車)関連の投資が活発化している。それも世界各地で開発が進み、実務的なものだけでなく、最初からLevel-4を目指しているものやシステム的なものまで多様化していることが特徴だ。以下、国際的に進むスタートアップの活動と最近の投資受け入れについて纏めてみた。

=Toyotaと独BMWが乗り合うNautoの利用法!=
10月7日、Toyotaが今年1月に設立したシリコンバレーのオートノマスビークル向けAI研究所 Toyota Research Institute BMW i Ventures(BMWの投資部門)、Allianz Ventures(独保険会社の投資部門)の3社が Nauto(Palo Alto, CA)に投資し、戦略的パートナーシップを締結した。Nautoが注目されるようになったのは、あのAndroid OSを開発したAndy Rubin氏がテコ入れを始めたからだ。氏の会社Playground Globalは、インキュベーションを柱とするVCだ。Nautoが開発しているのは、車載カメラDashcamをネットワーク接続でAI分析するための装置である。このシステムは、ドライバーや車の周囲情報をカメラで撮って、それらをネットワーク上でディープラーニングのAI処理を施す。これによって、どのような環境で事故が起こり易いのかを分析し、現在の走行状況が条件と合致する場合は、リアルタイムで警報を出す。同様にドライバーのカメラ撮影からも居眠り運転などがあれば、それを識別して警報する。Rubin氏は、他のVCと組んで、この装置を無償貸与し、膨大な走行データを収集することを計画した。対象となるマーケットは、業務用のトラックや配送業などだ。この作戦は当たってユーザーは急拡大。目指すはデータシェアリングビジネスである。これまで同社が受け取った資金は、Seedが$2.85M、最初のSeries-Aが$12M(今年4月)、そして今回の3社(Toyota、BMW、Allianz)分もSeries-Aの追加(金額非公開)となった。保険会社のAllianzは、保険料軽減にこのシステムを検討するが、注目されるのはToyotaとBMWだ。狙いは、このシステムから得られるリアルタイムのストリートビューだと思われる。通常、オートノマスビークルではカメラやLiDARなどからリアルタイムで3Dマップを作製し、それを既存データと重ね合わせて利用する。しかし、Google Street ViewHEREなどは周期的なアップデートだ。欲しいのは、より直近のデータである。ToyotaとBMWの参加によって、Nautoのデータシェアリングネットワークは強化される。そして、その有効性が確かめられれば、開発中のオートノマスビークルだけでなく、既存車へも一気に採用が加速されるかもしれない。 

=米nuTonomyはシンガポールのGrabで走り出す!=
nuTonomy(Cambridge, MA)はMITからスピンアウトしたスタートアップだ。目指すはLevel-4のオートノマスビークルの開発である。そして8月25日、シンガポールをベースとする配車サービスGrabと組んで公道での試験が始まった。米国最大手のUberがFordと提携し、Ford Fusion Hybridを使ったテストが9月中旬からなので世界初と言って良い。提供された車種は、Mitsubishi i-MiEVRenault Zoeの2種、共に小型のEVで計6台だ。当面の運行は、念のためドライバーが付き、エリアはシンガポールのビジネスパーク内だけ、乗降場所も決められている。このテスト開始後の9月、GrabはSeries-Fとして新たな投資家SoftBankから$750Mを受け取った。情報筋によるとGrabの企業評価は$3B。2011年の設立以来、総額は$1.43Bとなった。一方のnuTonomyは2013年の起業。Seedは$3.6M、Series-Aが今年5月の$16Mだった。このSeries-Aをリードしたのは、本社のあるケンブリッジのHighland Capital partnersで、応じた4社の1社がシンガポール経済開発庁の投資部門EDBIEconomic Development Board Investment)だった。こうしてnuTonomyはシンガポールと関係を持ち、今年8月1日には、シンガポール陸上交通庁(Singapore LTA - Land Transport Authority)との間で提携(LTA to Launch Autonomous Mobility-on-Demand Trials)を発表した。これが今回のテストの背景である。既報のように、世界のライドシェアリング市場は、米国のUberとLyft、中国のDidi Chuxing、インドのOla、そして東南アジアのGrabの5強体制だ。この分野では、UberはFordとの提携でFord Fusion Hybridを使った公道テストを開始、さらにOtto買収による自社開発の2本立てである。この自社開発では車両でVolvoと提携している。LyftはGMと提携し、現在、Chevy Boltの受け取り待ちだ。そして今回のGrabはnuTonomyと提携した。これが上手く行けば、次に、実際の車両製造相手を決めなければいけない。MitsubishiとRenaultの2社なのか、どちらかなのか。技術の提供と製造、ユーザーの枠組みが見えつつある。
=Optimus Rideは新交通システムを手掛けるか?=
まだ、始まったばかりのOptimus Ride(2015年起業)、2013年スタートのnuTonomyを追うようにMITからスピンオフした。本社も同じマサチューセッツ州ケンブリッジだ。そして、今月中旬、初のSeedとして$5.25Mを手に入れた。同社の財産は経験豊富な人材である。ファウンダーは5人。CEOとなったRyan Chin氏は、MITのメディアラボで、新交通システムを含めた未来都市プロジェクトをリード、その一環として開発したCityCarの発明者の一人だ。CMOのJenny Larios Berlin女史は、MIT卒業、あの元祖カーシェアリングZipcarでGMからのメンバーとして、全米各地の大学のカーシェアリングを推進。Chief ScientistのSertac Karaman氏はモバイルロボティックスの大家として、DARPA Grand Challenge 2007に参加したMITチームのリーダーだ。 ブラウン大学とMITで学んだAlbert Huang氏もこの開発チームのテクニカルリードを務めた。ハーバード大学のフェローでもあるRamiro Almeida氏はMITのメディアラボで、社会交通システムをリード。今後、同社がどのように進むのかは解らない。ただ、ここ数ヶ月、新しいオートノマスビークルによる輸送システムを研究していることは確かである。
 
 
=英国でも公道テストが始まった!=
ロンドンの北西80KmにあるニュータウンのMilton Keynesでも公道実験が始まった。オートノマスビークルを開発したのはオックスフォード大学からスピンアウトしたOxboticaだ。使われている車両はRenault TWIZYを改造したもの現在は、時速5マイル(時速8Km)という超安全運転で、ゆっくりとコーナーを曲がり、横断歩道でもきちっと止まることができる。これはあくまでも暫定スタートで、同社は2020年までに安定した市街地走行を目指している。周知のように、英国には信号機のない交差点ラウンドアバウトなど独特な交通ルールがある。さらに、シティーには再保険を含めた大手保険会社がある。英政府はこれらへの支援と対応を通して、近未来のオートノマスビークル社会の到来を促したいと考えている。

以上、見てきたようにオートノマスビークル開発は拡大している。 
地域的には、これまでのアメリカやドイツだけでなく、イギリスや日本も含め、さらに東南アジアでは米ベンダーと組んだ取り組みも始まった。Google Carを追って、シリコンバレーのZooxも最近、$200Mの投資を受け取った。これからは、Level-4の早期実現を目指してグローバルでの開発続く。その先にはまた、単独車両から総合的な交通システムへの動きも見えてきた。