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=Levandowski氏の不可解な行動!=
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Source:LinkedIn |
=Waymoからの訴状!=
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同社から出された訴状では、WaymoはUberが、①連邦営業秘密法(Uniform Trade Secret Act))及び②カリフォルニア州の営業秘密法、さらに③カリフォルニア州の不正競争法(BUSINESS AND PROFESSIONS CODE SECTION 17200)に違反していること、Levandowski氏はLiDARとその他のコンポーネントの設計資料を盗み出して開発会社のOttoを作り、それをUberに売り渡したとしている。ただ、売却後、Uberの開発責任者(VP Engineering)となったAnthony Levandowski氏やUberはそのような事実はないと全面的に否定している。
訴状の主張する主要なイベントは以下のような流れだ。
1) 2015 夏 … L氏はUnberと面談、会社作り等を話したと同僚D氏に漏す。
2) 2015/11/17 … L氏は280 Systems社(後にOttoとなる)を登記。
3) 2015/12/3 ... L氏はWaymoのデザインサーバーへのアクセスを調査。
4) 2015/12/11 ... L氏は9.7GBの情報をダウンロード。
5) 2015/12/18 ... L氏自身のPCをWindowsからGoobuntuへリフォーマット。
6) 2016/1/4 ... L氏はGoogle Driveクラウドから技術文書をダウンロード。
7) 2016/1/5 ... D氏はL氏がWaymoを自分の会社で複製すると語ったと証言。
8) 2016/1/11 ... L氏はGoogle Driveから開発スケジュール等をダウンロード。
9) 2016/1/14 ... L氏のUber訪問をD氏が質すと認め、投資家探しだと説明。
10) 2016/1/15 ... L氏はUber訪問の翌日、正式に280 Systemsを組織化。
11) 2016/1/27 ... L氏は予告なしにWaymoを退社。
12) 2016/2/1 ... L氏はOtto Truckを組織化。
13) 2016 春 ... Uber CEO Travis Kalanick氏がOtto買収に興味を示す。
14) 2016/5/17 ... Ottoがステルスから抜け出たと宣言。
15) 2016 8月 ... L氏はGoogleから最後の数百万ドルに及ぶボーナスを受領。
16) 2016/8/19 ... ボーナス受領後、直ちにUberがOttoを$680Mで買収。
17) 2016/12/13.. Waymo社員に誤配「Otto Files」メールからこの事件が発覚。
18) 2016/12 - 2017/2 ... WaymoはOttoが同社のLiDAR設計転用の有無を調査。
19) 2017/2/9 ... Otto運転免許を出したネバタ州情報公開から使用がほぼ判明。
20) 2017/2/23 ... Alphabet/WaymoがUberを相手に控訴ファイリング。
=Waymoが有利か!=
以上見てきたように、Anthony Levandowski氏の容疑はかなり濃厚なようだ。
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ボロが出たのは外部企業メールに間違って入ったccのWaymo社員のアドレスだった。完全な事故である。WaymoのGoogle CarはこれまでVelodyne製のLiDARを用いていたが、高価格で使いにくいことから、自社設計して外部委託生産へと切り替えた。このカスタムLiDARとメールに添付されていた図面は酷似している。OttoがUber向けに改造した初期のVolvo XC90には、旧型Google Carと同じVelodyneのLiDARが屋根に乗っていた。しかし、今は上にある写真のように新型Google Carと同様に小型化されている。また、ネバタ州へOttoが出した自動運転車試験免許の申請書には、64chのLiDARとあり、これもWaymo自製のLiDARと同じである。こう見ると、状況証拠は十二分だ。しかし、これだけで立証できるだろうか。Waymoは3月10日、控訴内容をさらにUberの現自動運転車開発プロジェクトの停止を求める訂正(Amend)を裁判所に出した。その後、4月27日付のBusiness Insiderは火中のLevandowski氏がUberの自動運転車開発の責任者から降り、LiDAR開発にも関与しないと報じ、5月11日には裁判所判事が司法省に対し、企業秘密盗用の可能性を捜査するよう指示した。Uberにとって、状況はどんどん悪くなるようである。