2017年4月27日木曜日

AutoTech(20) Waymoが500台追加、タクシー化を試行!
               -Early Rider Program-

Waymoの動きが活発になって来た。
Googleの持ち株会社Alphabet Inc.傘下で先端技術開発を担当するX-CompanyからGoogle Self-Driving Carを昨年12月13日に事業会社として引き継いだのがWaymoだ。新社名は「a new WAY forward in MObility-移動のための新しい道)から採ったという。これに先立って、Googleは、昨年5月、Chrysler(FCA)と提携、人気のミニバンChrysler Pacifica HybridにGoogle Self-Driving Carの専用ハードウェアとソフトウェアを搭載し、実用化に向けた本格テストを実施するとしていた。そして、12月には公道テスト用の100台が出来上がった。両社の開発チームは緊密に連携し、Googleのテクノロジーにより良く適合させるため、電装系だけでなくパワートレインなどにも変更が加えられたという。実際のところ、昨年10月までにプロト車を仕上げ、Chrysler側はミシガン州チェルシー(Chelsea)とアリゾナ州ユッカ(Yucca)、Waymo側はカリファルニア州マウンテンビュー(Mountain View)のテスト施設でテクノロジーテストが行われた。こうして最終形が出来上がった。完成までにかかった時間はわずか半年。

気になるのはGoogle Carの目となるLiDAR(Light Detection And Ranging)の価格だ。Waymo CEOのJohn Krafcik氏によると、2009年、初代のGoogle Carに搭載された外製品は何と$75,000(750万円 ... $1≒¥100)だそうだ。そして、今回のLiDARは内製品で、価格はたったの$7,500(75万円)だという。勿論、内製品とは言っても、Waymoは設計のみで、実際の制作は外部企業である。さらに氏はWaymo製のLiDARには、近距離と遠距離用の2つがあるという。確かにChrysler Pacifica Hybridには2種類搭載されており、屋根の上が遠距離用、前後左右のものが近距離用らしい。

=500台追加、そしてタクシー化を試行!=
4月25日、Waymo CEO John Crafcik氏はblogで、WaymoはFCAと共同開発した自動運転車を500台追加して、アリゾナ州フェニックスで一般人を対象としたEarly Rider Programを実施すると発表した。まさに、自動運転タクシーの試行である。一般のアメリカ人の移動は忙しい。夫婦は別々に職場へ、子供たちは学校へ、ショッピングへ、教会へ、サッカーの練習など、全ては車によらなければならない。Waymoは実際にどのような移動のニーズがあるのかを探るために、このプログラムを実施する。申し込みはフェニックス・メトロポリタンエリア(Chandler, Tempe, Mesa, Gilbert.)に在住する18歳以上の個人で、その家族は一緒に同乗できる。申し込み後、Waymoからのメールによるインタビューに答えて選ばれればOKだ。後は、前記の市内で自由にGoogle Car(Chrysler Pacifica HybridかLexus RH450h)を捕まえられる。利用後はその感想をフィードバックすることが義務だ。Waymoはこれら計600台以上の車を使って、真の輸送ニーズを洗い出す。想像だが、狙いは2つ。まず、新たな輸送ビジネスの開発。もうひとつは、Level-4の完全自動運転車の開発である。