2013年10月1日火曜日

SDNクラウドサービス出現! -Pertino- 

ついにSDN(Software-Defined Network)をクラウドサービスする会社が現れた。
今日、どこの事務所にもセキュアで高速なネットワークがある。これを使えば、誰でも簡単にeメールやファイルシェア、そして業務アプリケーションを使うこと が出来る。しかし客先や出張先、そしてホームオフィス、さらにはパートナーから利用しようとするとどうだろう。VPNを張れば良い。それは正解かもしれな い。ただ小さな会社には、十分なIT要員はなく、スキルもない。そして、今はクラウド時代だ。どの会社もIT予算の削減を目指して、アプリケーションの多 くをクラウド上に移行し始めた。 勿論、一部、重要なアプリケーションは自社コンピュータ上に残るかもしれない。こうしてアプリケーションが分散し、利用ユーザーが多様化されるにつけ、 ネットワーク管理はややこしくなる。Pertinoの開発したクラウドベースのSDNなら簡単だ。

<基本的な動作>
ユーザーは、まず、Pertinoを同社のホームページからクライアントPCやサーバーにダウンロードし、 インストール。これを起動して、新規アカウントを作成する。この際、インストールされたクライアントのPertinoソフトはクラウド上の管理ソフト 「Pertino Cloud Network Engine」と連動する。次にネットワークを定義する。Windowsに慣れたユーザーならWorkgroup Network名をそのまま利用することも可能だ。このネットワークへのメンバー招待はeメール。メールが届いたメンバーは受け入れ確認 (Validation)のURLをクリックすれば良い。画面左上にはネットワークの選択ボックスがあり、複数ネットワークへの参加も可能である。これら 全ての情報はクラウド上のPertino Cloud Network Engineに保持される。


 <クラウドSDN>
こ こまで見ると、何だこれはWindowsのネットワーク管理のままではないかと思う人が多い。 しかし、接続するサーバーはクラウド上でも、オンサイトでもOKだし、クライアントもWindowsやMac、いずれLinux、さらにモバイルにも解放 される予定だ。勿論、クライアントは、パブリックインターネット経由で接続されるものでも構わない。
Pertinoの最初のアイデアは利用者とデバイスを集めるGoogle Circlesのようなものだった。メンバーの一人がそれならクロスプラットフォームのWorkgroup風が良いと提案。そして開発が始まった。
初 期設定が終わり、システムが動き出すと、クライアント上のソフトは仮想スイッチのように振る舞い、クラウド上のエンジンはSDNのコントローラーのように 見える。事務所内でも、自宅からでも、出先や海外からでも、クライアント上のPertinoアイコンをクリックして立ち上げ、ログインすればOKだ。これ で好きなネットワークに参加できる。勿論、ネットワークの設定はプロジェクト別や部課別など自在だ。セキュリティはAES 256ビット、完全なる暗号化である。
 
<現行バージョンと今後の計画>
Pertino を別な言葉で表すと、仮想WANをSDNとグローバルインターネットで組み合わせたものだとも言える。もうルーターやVPNゲートウェイなどの機器は要ら ない。Pertinoは今年2月、ステルスモードから抜け出て始めてクラウドサービスをリリースした。当初、クライアントはWindows 7のみ、サーバーはWindows Server 2008 R2だけだった。そして動くクラウドはAWS(Amazon Web Service)だけ。それから半年、クライアントにWindows 8が追加され、現在、Mac OS X 10.7はパブリックβ、Ubuntu 12.04はプライベートβだ。そしてサーバーにはWidows Server 2012が加わった。今後、来年にかけて、Windows XP/Vista、さらにモバイルOSのAndroidとiOSが追加される予定だ。

Pertinoが提供するサービスプランは2つ。
ひとつは30日間、3人まで使えるFREE(無償)版。各メンバーは3台のデバイスが扱える。もうひとつはProfessional版。これについて、現行の課金が解りにくく、近々変更が計画されている。