その状況はDaaS-1、DaaS-2で報告した。今回は、その後の動きや判明したことを元に、AmazonとCitrixについてアップデートをしよう。
=Amazon WorkPlacesアップデート=
Amazon WorkPlacesの スケジュールが少し見えてきた。現在、WorkPlacesはLimitedリリースの段階である。この後、Publicベータ、そして2Q後半か夏には 正式版となるだろう。ただ課題は幾つかある。ひとつは現在の機能/性能範囲がマーケットに受け入れられるかどうかだ。技術的なポイントは既報で 説明した。特にオンプレミス連携時などのレスポンスが許容範囲内かどうかは確かめられたい。WorkPlacesはAmazonが徹底したマーケット調査 の上で投入したサービスである。従って、世界的にはそれなりの市場が見込めるのだろう。しかし、日本市場となると気になるところだ。次にコスト。これは大 いに問題である。
- Standard - $35 / user / month.
- Standard Plus - $50 / user / month.
- Performance - $60 / month.
- Performance Plus - $75 / user / month.
=Citrixアップデート(Xen Desktop & App Orchestration)=
前回、日本市場では、Citrixの提携クラウドプロバイダーの殆どがXenDesktop 7をホスティングしていると述べた。 これはユーザ別のシングルテナントだが、DaaS (通常はマルチテナント)の一形態としよう。NTT CommのBiz Desktop ProやIIJ GIO、DoCoMoのMobile Secure Desktopなどがそうだ。これには理由があって、VDIに対するカスタマイズ要望が高いことから来ているという。そして出来れば運用もやりたくない。結果、VDIホスティングが、それなりの日本風DaaSビジネスになっている。頷ける話だ。Citrixによると、米国では既にマルチテナントの本格的なDaaSもCitrix App Orchestrationと して投入されており、VDIホスティングと並存している。Citrixはこの世界での歴史が長く、経験も豊富だ。彼らにとって、ユーザは様々で、管理の行 き届いた個別導入のVDIを好むユーザ、IT要員の問題からVDIホスティングを望む場合、さらに汎用のDaaSまでと幅広い。DaaSを好むユーザはコ ストメリットを重視している。従業員の職務分掌がはっきりしている米国でVDIは発達した、そうでない日本。この辺りがDaaSが普及するか、VDIホス ティングかの分かれ目なのかもしれない。