女史の名前を憶えている人も多いと思う。VMwareを成功に導いた人だ。VMwareは1998年、スタンフォード大学準教授だったメンデルローゼンバーム(Mendel Rosenblum)氏と彼のチームメート3人、そして妻のグリーン女史が参加して始まった。経営面ではそれまでシリコングラフィックスで活躍していた女史がCEOとなり、チームのエドワードバグニオン(Edouard Bugnion)氏がシステムアーキテクト兼CTOとなった。女史はマサチューセッツ工科大学とUCバークレーで博士号を取った才女である。
=VMwareの成長と女史の活躍!=
VMware以前の仮想化は、1970年年代にメインフレームを有効利用するパーティションニング技術がIBMで始まっていただけである。OSの専門家であるローゼンバーム氏はこれを参考に廉価なパソコン向けの技術開発に取り組んだ。設立の翌年、1999年、最初の製品を発表。2001年にはホストOS型のGSX、ホストOSがなく専用カーネルで対応するESXの2つが登場した。2003年にはESXの成功でVMwareは利益を計上できる企業に成長した。さらなる目標の達成には大きな資金がいる。翌2004年のEMCによる大型買収は、同社から資金調達のために持ちかけた話だったと聞く。その後、開発部門を充実させて製品ラインを整備し、2007年8月、IPOを実行。まさにVMwareの全盛期であった。突然の異変が起きたのは翌2008年7月。VMwareをここまで育ててきたグリーン女史が突如解任され、代わってMicrosoftの元シニアエクゼクティブでEMCのクラウドコンピューティング部門を率いていたポールマリッツ(Paul Maritz)氏がCEOの座についた。理由はXenなど他社が足元に迫ってきたからであった。
=Googleのクラウド責任者に!=
VMware以前の仮想化は、1970年年代にメインフレームを有効利用するパーティションニング技術がIBMで始まっていただけである。OSの専門家であるローゼンバーム氏はこれを参考に廉価なパソコン向けの技術開発に取り組んだ。設立の翌年、1999年、最初の製品を発表。2001年にはホストOS型のGSX、ホストOSがなく専用カーネルで対応するESXの2つが登場した。2003年にはESXの成功でVMwareは利益を計上できる企業に成長した。さらなる目標の達成には大きな資金がいる。翌2004年のEMCによる大型買収は、同社から資金調達のために持ちかけた話だったと聞く。その後、開発部門を充実させて製品ラインを整備し、2007年8月、IPOを実行。まさにVMwareの全盛期であった。突然の異変が起きたのは翌2008年7月。VMwareをここまで育ててきたグリーン女史が突如解任され、代わってMicrosoftの元シニアエクゼクティブでEMCのクラウドコンピューティング部門を率いていたポールマリッツ(Paul Maritz)氏がCEOの座についた。理由はXenなど他社が足元に迫ってきたからであった。
=Googleのクラウド責任者に!=
New York Times(11/19)が報じた内容によると、ダイアングリーン女史はGoogleの親会社Alphabetのボードメンバーに就任した。そしてGoogleのクラウド全般を取り仕切る責任者になる模様だという。もっとも女史はこれまでもGoogleのBoard of Directorsに名を連ねていたが、あくまでも社外重役だ。今度は現業への復帰が期待されている。というのは、同日、女史が2012年にクラウド向けアプリ開発プラットフォームとして興したBebop TechnologiesというスタートアップをGoogleが買収したからだ。これによって女史はGoogleでフルタイムで働ける。
=Googleクラウドで何が起きるのか!=
Googleクラウドが注目されている。何故なのか。嵐の目がコンテナー技術だからである。Dockerが先行して市場支配を強める中、Googleの息のかかったコンテナー向け軽量LinuxディストリビューションのCoreOSが戦いを挑み始めた。CoreOSはGoogle Chrome OSからフォークしたものであり、企業としてはGoogleからの投資も受け入れている。そして、GoogleがコンテナーオーケストレーションツールのKubernetesを出し、CoreOSからはコンテナーエンジンのrkt(rock-it)と関連する資料が公開された。今年6月にはLinux FoundationのもとにOpen Container Initiative-OCI-(初期名はOpen Container Projectで1ヶ月後に改称)が組織化され、rktのイメージフォーマットなどを採用する標準化が決まった。後手に見えたDockerからは直ぐにこの仕様に沿ったrunCが出て、さらにLinux Foundationに初期名だったOpen Container Project-OCP-を立ち上げ、状況は混とんとしてきた。一方、GoogleのKubernetesも同時期にLinux Foundationと協力してCloud Native Computing Foundation-CNCF-を立ち上げた。ここでOCIやOCPはコンテナーの標準化だが、CNCFはコンテナーのオーケストレーション-振る舞い-を規定するものである。興味深いことに、OCIにはAmazonやMicrosoftも参加しているが、CNCFにはその名前がない。つまり、コンテナーの標準化は大事なことで参加するが、その管理ツールまでGoogleに牛耳られてはかなわないというところだろうか。今年8月、Googleの新CEOとなったSundar Pichai氏は、グリーン女史の職責範囲を全てのクラウドビジネスだとして、大きな期待をかけている。これには、生産性向上ツールのGoogle Appsや企業向けGoogle Apps for Work、そしてクラウドサービスのGoogle Cloud Platformが含まれる。Google関連製品を総動員した新体系化、そしてコンテナー技術をテコにした新戦略、これらがどのように女史の手で花開くか、目が離せない。
=Googleクラウドで何が起きるのか!=
Googleクラウドが注目されている。何故なのか。嵐の目がコンテナー技術だからである。Dockerが先行して市場支配を強める中、Googleの息のかかったコンテナー向け軽量LinuxディストリビューションのCoreOSが戦いを挑み始めた。CoreOSはGoogle Chrome OSからフォークしたものであり、企業としてはGoogleからの投資も受け入れている。そして、GoogleがコンテナーオーケストレーションツールのKubernetesを出し、CoreOSからはコンテナーエンジンのrkt(rock-it)と関連する資料が公開された。今年6月にはLinux FoundationのもとにOpen Container Initiative-OCI-(初期名はOpen Container Projectで1ヶ月後に改称)が組織化され、rktのイメージフォーマットなどを採用する標準化が決まった。後手に見えたDockerからは直ぐにこの仕様に沿ったrunCが出て、さらにLinux Foundationに初期名だったOpen Container Project-OCP-を立ち上げ、状況は混とんとしてきた。一方、GoogleのKubernetesも同時期にLinux Foundationと協力してCloud Native Computing Foundation-CNCF-を立ち上げた。ここでOCIやOCPはコンテナーの標準化だが、CNCFはコンテナーのオーケストレーション-振る舞い-を規定するものである。興味深いことに、OCIにはAmazonやMicrosoftも参加しているが、CNCFにはその名前がない。つまり、コンテナーの標準化は大事なことで参加するが、その管理ツールまでGoogleに牛耳られてはかなわないというところだろうか。今年8月、Googleの新CEOとなったSundar Pichai氏は、グリーン女史の職責範囲を全てのクラウドビジネスだとして、大きな期待をかけている。これには、生産性向上ツールのGoogle Appsや企業向けGoogle Apps for Work、そしてクラウドサービスのGoogle Cloud Platformが含まれる。Google関連製品を総動員した新体系化、そしてコンテナー技術をテコにした新戦略、これらがどのように女史の手で花開くか、目が離せない。