Synergy ResearchからCloud Infrastructure Serviceについての2Q分析が発表された。それによると、当期売り上げは、Amazonがダントツ、次いでMicrosoft、IBM、Googleの順だ。これらBig4だけで世界市場の売り上げの半分強を占めている。対前年比伸び率は、1位のAmzonが53%、2位のMicrosoftは100%、3位のIBMは57%、そして4位Googleは162%となり、これら4社の第1グループ全体成長率は68%だ。Big4に続く残り20社の第2グループは同成長率が41%、それより規模の小さい第3グループは同21%となって、下に行けば行くほど引き離されている様子が見て取れる。世界市場全体の伸び率は51%。トップAmazonの売り上げは2位のMicrosoftのほぼ3倍、IBMはHosted Private Cloud分野で健闘しているが、MicrosoftとGoogleが激しく追い上げている。
=Googleは本気だ!=
2Q成長で特に目立ったのはGoogleだ。
昨年度、VMware初代CEOだったDiane Greene女史をクラウド部門のヘッドに迎えたGoogleは本気である。女史の前任者でGoogle Fellow&SVPのUrs Hölze氏は、かねてから2020年までに広告ビジネスを抜いてクラウドをトップに押し上げると明言していた。5月のGoogle I/Oで女史は、「Fortune1000の企業はAmazonの独占を良しとしていない。Googleのこのところのアプローチを喜んでおり、AmazonとGoogleの2社が競い合うことを望んでいる」と述べた。クラウドのさらなる成長には健全な競争こそが必要だと強調したわけである。女史は就任後、多くの企業を訪問して、ビジネスを引きつけてきた。たった8ヶ月でその成果は現れてきた。7月28日のAlphabetからの2Q決算発表である。Googleはクラウドだけの収益を決算書で現していない。「Other Revenues(その他売り上げ)」の中だ。この殆どはPlay Storeによるものと思われるが、加えてクラウドビジネスやハードウェア売り上げも入っている。2Q決算の「その他売り上げ」は$2.17B、対前年比33%アップだった。1Qでは24%、その前は11%と尻上がりに良くなっている。決算発表のカンファレンスコールでCEOのSundar Pichai氏は、特にクラウド事業に言及して、Appsを含めたクラウドは業績に大きく貢献していると述べた。しかし、これだけのデータでは、実際の売り上げは解らない。そこでAmazon 2Q決算から推定してみよう。AWSの2Q売り上げは約$2.9B(下図)だ。ここでSynergy Researchの上図から今季のAWSのシェアを32%、Googleを5%と読み取り、案分計算すると、今期のGoogleの売り上げは$0.45Bとなる。これを単純に4倍して1年に引き延ばせば$1.8B(年間売り上げ)だ。しかしながら、Synergy Researchのシェア値や伸び率の算出根拠は公開されておらず、あくまでの試算値として留め置かれたい。ただ、AWSの予測には問題は無く、4掛けして推定すると、年間売り上げは、当初予定の$10Bを超えて、$11B強となる。