2016年8月8日月曜日

Rackspaceの新たな模索!

8月4日付Wall Street JournalがRackspaceとPrivate Equity Firmの取引が近いことを報じた。Private Equity Firmとは個人投資家などから集めた資金-Private Equity Found-を運用する投資会社だ。この記事が出たのは4日の夕方、前日の株価は$23.16、その日は$26.55、翌5日は跳ね上がって$29.27となった。この約26%の株価アップは、同社の現在のMarket Capを約$3.5Bとすると、これをプレミアム付きで押し上げ、$4.4Bとなった格好でもある。
Rackspaceは2014年5月、既報1のようにMorgan Stanleyを顧問にホワイトナイト探しをしたことがあった。多くの会社が候補にあがったが、しかしこのExitは条件がきつかったこともあって上手く行かなかった。その後、2015年9月、同社はMicrosoftと提携し、Azureユーザーの有償導入支援サービスのMicrosoft Azure Fanatical Supportを開始し、10月にはAmazonユーザー向けに同様のFanatical Support for AWSもスタートさせた。理由は大手Public Cloud Providerである4社(Amazon、Microsoft、Google、IBM)の競争が激化し、マネージドやエンジニアリングサポート付きのOpenStackベースクラウドだけではビジネスが厳しくなったからである。この有償サポートは、Rackspaceの生き延びるためのビジネスモデルとして機能したが、他方、十分なサポートエンジニアを持たないAmazonやMicrosoftにとっても都合が良いものであった。そして今年4月、これも既報のように、この2社のどちらかではないかという買収の噂が持ち上がった。
結果は不発だったが、今回は3度目の正直となるかもしれない。そして5日のReutersの続報によって、相手はApollo Global Managementだと解り、またまた大騒ぎとなった。実はこれら一連の買収報道より先の先月29日、CNBCがApollo Global ManagementとCarlyle Group、さらにKKRの3社が組んでHP Enterpriseの買収を仕掛けるのではないかと報じていた。さらに8日になって、VentureBeatTechCrunchなど各紙がRackspaceのWeb Hosting部門Cloud Sitesの売却を報じた。相手はLiquid Webである。事態は混とんとしているが、今度こそ動くかもしれない。