2009年7月3日金曜日

Microsoft System CenterとSUSE -クラウド運用管理1-

このところ、仮想化技術はOSとの緊密化、そして運用管理システムとの連携へと焦点が移ってきている。そこでクラウド運用管理関連の動きをシリーズ3回に分けて追ってみた。

まず、今回はNovellがMicrosoftとの提携の成果として発表した「Micorsoft System Center」のSuSE Linuxプラグイン開発から始めよう。この提携とは、2006年11月に遡る。当時はGPLv3制定の後半に差し掛かっていた。Microsoft の寡占と独善的な動きを嫌うLinuxコミュニティーは、NovellによるMicrosoftとの突然の提携に困惑し、そして大々的な非難の声をあげた。結果、2007年6月に確定したv3の中でMicrosoftの特許囲い込みの対抗策がとられ、違反にはペナルティー(Novellは時期的なこと から免責)が課せられることとなった。

この提携は2011年までで、『広範囲なWindowsとLinuxの相互運用性の向上とサポート(Broad Collaboration Windows and Linx Interoperability & Support)』を目的としている。このため両社は研究施設を整備し、3つの重点施策、①仮想化技術(Virtualization)、② 物理/仮想サーバーの管理(Web Services for Managing Physical & Logical Servers)、③文書フォーマットの互換性(Document Format Compatibility)を掲げた。

今回の開発発表は2番目の項目に沿ったものである。
Microsoft System Centerとは、2003年からのDynamic Systems Initiative (DSI)に沿ったシステム運用管理製品だ。Active Directoryを核に、.NET環境におけるSQL ServerやExchange Serverなどを効率よく管理するために作られ、Windows Server 2008とHyper-Vの登場で仮想化環境も守備範囲となっている。


DSI は、まさに分散環境における動的なシステム管理を目指すもので、初期にはHPC(High Performance Computer)のノードを意識し、現在は仮想マシンを主な分散管理の対象としている。この分散システムは同社が提供するSystem Definition Model(SDM)で定義され、SDMに対応すればサードパーティー製品でも稼動させることが出来る。System Centerは幾つかの機能で構成されているが、①OSやアプリケーションからシステム機器などを構成管理するConfiguration Manager、②システム全体のモニタリングとパフォーマンス管理のOperation Manager、③データバックアップのData Protection Manager(DPM)などが基本要素だ。特にデータバックアップではSystem Center準拠のSymantec(旧Veritas)やSIMPANA(CommVault社)製品などが実際のバックアップ取得のフロントとして機 能し、DPMはバックエンドとなっている。

今回のプラグイン開発でSUSEはMicrosoft System Centerで管理することが可能となった。このことは単に選択肢が増えたということだけでなく、大きな意味を持つ。ユーザーの視点は、これまでのような単一の仮想化技術の優劣から離れ、OSと仮想化、さらに運用管理の3つを総合的に評価し始めている。このような環境下で、IBMは、運用ではTivoliを堅持し、Linuxと仮想化は他社に委ね、SunはOpenSolarisを核に、XenベースのxVM ServerとxVM Ops Centerで独自の路線を進む。VMwareもvSphereによってクラウド運用管理のVOS(Virtual OS)化を目指している。Red Hatは運用管理ではニュートラルだが、仮想化ではKVMのQumranetを買収し、近々、リリースの予定だ。いよいよ、時代は総合化の段階の差し掛かってきた。