しかし、SDN議論のきっかけとなったOpenFlowやNFVの定義など顕著な動きはSDSにはまだ見られない。ただ、SDS関連技術の幾つかは新しいものではない。古くて新しいのがSDSである。VMwareのSDD(Software-Defined Datacenter)構想を引用するまでもなく、SDNと並んでSDSは、クラウドだけでなく、これからのコンピュータ技術の重要な構成要素である。
Server VirtualizationのHypervisor開発(上図)はほぼ片がついた(DONE)。SDNは開発途上であり(onging)、SDSはこれ からが本格的な議論である(just started)。この議論には以下のようなポイントがあるように思う。
① ストレージの低価格化
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② ストレージの仮想化
その上で、センター内に散在する多様なストレージを何とかしなければならない。これら個別目的に利用されるストレージを統合し、多目的で利用できるシステムが必要である。回答はストレージの仮想化だ。今ふうに言えばConverged
Storageである。市場では一部の異なるベンダーのものを仮想化し、共通ストレージ(Storage Pool)とみなす製品が出始めた。もうひとつ、サーバーと同じ手法でHypervisor化する議論も進んでいる。これらの議論がさらに進めばGrid
Computingで世界中のPCエンジンの余力を使ってスーパーコンピュータ並の計算をしたように、散在するストレージの余力を寄せ集め、アクセス速度は遅くても、途方もない巨大なストレージが作れるかもしれない。
③ ストレージの高速化
新しい技術との融合も重要なポイントである。
CPU の演算速度の向上には「ムーアの法則」がある。HDDの性能では容量とアクセスタイムが決め手だ。アクセスタイムを決める回転数は7,200rpmから 10,000rpm、そして近年では15,000rpmの製品も出てきた。しかし、HDDの構造はそのままだ。回転数を早くし、それによってシークタイム を改善する。物理的な回転体に頼る技術、そのものがもう限界である。市場には既にフラッシュメモリーとディスクアレイを組み合わせた高速ディスクシステム が多く見られる。そして、フルフラッシュ・ストレージも登場した。SSDの価格低下が進めば、HDDに替わって、フルフラッシュ・ストレージが主役の座に なる日も遠くない。勿論、ストレージの高速化では、それ以外に、インメモリーDBもある。これらを駆使して、Big Data処理を効果的に行おうと、ベンダーは笛や太鼓で宣伝に忙しい。
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CPU の演算速度の向上には「ムーアの法則」がある。HDDの性能では容量とアクセスタイムが決め手だ。アクセスタイムを決める回転数は7,200rpmから 10,000rpm、そして近年では15,000rpmの製品も出てきた。しかし、HDDの構造はそのままだ。回転数を早くし、それによってシークタイム を改善する。物理的な回転体に頼る技術、そのものがもう限界である。市場には既にフラッシュメモリーとディスクアレイを組み合わせた高速ディスクシステム が多く見られる。そして、フルフラッシュ・ストレージも登場した。SSDの価格低下が進めば、HDDに替わって、フルフラッシュ・ストレージが主役の座に なる日も遠くない。勿論、ストレージの高速化では、それ以外に、インメモリーDBもある。これらを駆使して、Big Data処理を効果的に行おうと、ベンダーは笛や太鼓で宣伝に忙しい。
④ クラウド対応
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ク ラウド上のストレージだ。現在、我々は便利なクラウドストレージサービスを沢山手に入れた。バックアップやクリッピング、ファイル共用など数えあげたら切 りがない。しかしこれらは一般向け(Consumer)が主だ。企業(Enterprise)向けではAWSのS3やEBSなどがクラウドサービスの一 環として提供されている。しかし、これらのクラウドストレージにユーザーは満足しているだろうか。容量はともかく、アクセス速度、つまり、レイテンシーに 関する不満は多い。これはクラウドストレージの構造からくる問題で、On-Premiseと比べれば歴然である。
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以上、例示したような視点で議論を重ね、新たな開発が進展することを期待しながら、次回以降、幾つかの技術やベンチャーを紹介していこう。