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=eSIMに賭けるJasper!=
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=ISM帯の普及を目指すSigFox!=
次に紹介するのは同じM2Mのスターアップだが、フランス(Toulouse-米本社:Boston)を拠点とするSigFoxだ。VC投資ランキングでは、Jasperが5位、SigFoxは6位である。そのSigFoxがIoTの本場米国での市場開発のために、昨年2月、資金調達を実施した。集めたお金は何と$115M(138億円)、累計総額では$151.3M(182億円)となった。該社が得意とするのはISM bandだ。ISM帯とは産業・科学・医学(Industry/Science/Medical)用に割り当てられた帯域で、電子レンジ(2.4GHz)のように規定出力以下なら免許が不要だ。SigFox製品は915MHzを利用したショートメッセージの低速伝送だが、バッテリー消費が非常に少ない。Forbesによると、SigFoxは昨年10月末、サンフランシスコ市全域にISMネットワーク(市内のビルの上に設置したトランクケース大のトランシーバー20台で構成)を展開した。このネットワークは、パーキングメーターや火災報知器、農業用各種センサー、フィットネストラッカーなどのウェアラブルに適用される。デバイス側にはSigFoxの廉価で小さなチップとファームウェアを搭載する。同社によると、このネットワークは、既にフランスとスペイン全土をカバー、米国では、今回集めた資金を使い、サンフランシスコが最初、その後、ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、シカゴ、オースティン、ヒューストン、アトランタ、ダラス、サンノゼの全米10都市に拡大予定だという。日本からはNTT DoCoMo Venturesが昨年2月の米市場開発向け大規模資金集めに参加している。
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