2016年9月10日土曜日

AutoTech(12) ステルスから抜け出たDrive.ai! 
       -外部コミュニケーションの新しい道を探る-

先週、オートノマスビークル(Autonomous Vehicle-自動運転車)のスタートアップDrive.ai(マウンテンビュー)がステルスモードから抜け出て姿を現し始めた。通常のオートノマスビークル開発が完全な自律運転を目指しているにに対してDrive.aiは少し違う。自律運転技術にはまだ課題がある。そこで外部とのコミュニケーションを重視することて安全性を高めようという作戦だ。Drive.aiのオートノマスビークルにはカメラベースのセンサーやLiDARが使用されている。それらが接続処理される搭載コンピュータには、これとは別に外部とのコミュニケーション用のディーブラーニングが組み込まれている。実際のコミュニケーションには、屋根の上のLEDパネルやライトの点滅、車の微速前後進などが用いられ、これらによって、車が今何を考えて、何をしようとしているのかを外部の人や車に意思伝達する。より正確な意思伝達には「この場合はこうする」といったルールベースのアプローチは向かない。その場の状況は無限の組み合わせだからだ。Drive.aiはここにディーブラーニングを適用した。つまり、相手となるオブジェクトの状態を車がどうとらえているか、そして、それを相手に知らせることにより、より安全な運転ができる。エンドツーエンドのアプローチだ。通常、ドライバーは歩行者の行動を見ながら、歩行者は車に注意を払いながら行動する。同社のアプローチは、まさに通常の車と人と同じような関係となる。Drive.aiの共同創業者はRoboticsの世界で15年の経験を持つCEOのCarol Reiley女史を入れて8人。うち6人がスタンフォード大学AIラボの卒業者かPhDだ。彼ら全てがディーブラーニングの専門だ。仲間の何人かはGoogle CarやGM、Nissanからやって来た。今回の発表と同時にボードに参加したSteve  Girsky氏は、GM破産後7年間シニアエクゼクティブとしてボードで活躍した人である。自動車の実務家とAIエキスパート、これがDrive.aiの強みだ。今後は開発した機能を市販車の改造キットとして売り出す予定だという。狙いはデリバリーカーを保有する配送会社やライドシェアリング会社などが想定されている。