2016年9月1日木曜日

Rackspace、新たな道へ! 
       -Apollo Globalによる買収決定-

Rackspaceのボードは、8月26日、既報のように、かねてから交渉中であったPrivate EquityのApollo Global Managementに売却することを決めた。1株当たり$32の現金による取引で総額$4.3B(100円/1㌦換算、約4,300億円)となる。この日、同社の株価は4%上昇し、今回の取引完了後はこれまでの上場企業から非上場となる。同社CEOのTaylor Rhodesは「企業が業務をデータセンターか らマルチクラウド環境へ移行する現在、Apollo Globalが同社の戦略とユニークなカルチャーを評価してくれ、これから一緒に働けることを楽しみにしている」と述べた。しかし、各種のメディア情報か ら見る限り、Rackspaceの独立性の保証や今後の具体的なコミットメントは見当たらない。つまり、Rackspaceにとっては、転売か合併がこの先待ち受けている。ともあれ、2014年5月からのホワイトナイト探し、その後も買収交渉が何度となくあった。そして今度の決着、その先はまた新たな展開が続く。周知のことだが、クラウドでRackspaceの果たした功績は大きい。NASA Amesと共に始めたOpenStackプロジェクトはプライベート市場で花開き、パブリッククラウドにもくさびを打ち込んだ。クラウド市場はプロプライエタリービジネスの囲い込みではいけないと いう信念からだ。しかし資本市場の現実は厳しい。今回の買収を乗り越え、これから先もRackspaceの健闘を祈らずにはいられない。