これまでAmazon、Google、Microsoft、 GoGridを取り上げてきた。このシリーズで記述にた企業の順序は初回に断ったようにランキングではない。というのはクラウドに関連する各種分野から、 実績や影響力、戦略などを加味してピックアップしているからである。今回はプロバイダー向けマルチハイパーバイザーシステム管理コンソールを開発している Enomaly(Canada, Toronto)を取り上げる。
1. Elastic Computing Platform(ECP)とは何か
Enomalyが最初のElastic Cpmputing Platform(ECP)を出荷したのは2004年だ。サーバ向けの仮想化製品が出始めてまもない時期である。以来、ECPは大規模IaaSを運用する ためのシステム管理コンソールとして、世界中で多くの企業が採用している。
周知のようにこ の分野の機能提供は、一般に仮想化ベンダーが担ってきた。旧VMware Infrastructureの後継vSphere(関連記事)、Citrix XenCenterやEssential(関連記事)、さらにはNovellがSUSE向けに提供して いるPlateSpin(関連記事)、Sun xVM Ops Center、Red Hat Enterprise Virtualization for Servers、Microsoft System Centerなどだ。 しかし仮想化でVMwareが圧倒的に強いとは言え、クラウドプロバイダーの多くはXenを採用している。そして彼らもXenだけでなく、VMwareも 補足的に導入しているし、企業ユーザでもVMwareだけでなく、Windows Serverやシンクライアントとの関係からMicrosoft


2. Intelのクラウドビルダープログラム参加
昨年11月、 Intelはソフトウェアベンダー8社(Citrix、VMware、Parallels、Microsoft、Red Hat、Canonical、Univa UD、Xen consortium)と共に“Cloud Builder Program”を発表した。このプログラムはIntelアーキテクチャー上で、参加各社の技術を用い、サービスプロバイダーやホスティング業者、さらに は大型エンタープライズなどのクラウドを構築するガイドラインを示すものだ。Enomalyはこのプログラムに今年始め参加、その成果をIntel-Enomaly Cloud Deployment Reference Architectureと して発表した。実際の大型IaaS構築ではトレードオフとなる技術的な要件が多々あるが、それらを見極めるために、このガイドラインではIntel Xeon 5500搭載の複数サーバー機にRnomaly ECP Service Provider Edition(SPE)をインストールして各種の分析を加えている。その上で考慮すべきポイントを整理しているので、このような計画を持つプロバイダー は必読だ。

3. クラウド普及のパブリック 活動
Enomalyの創業者Reuven Cohen 氏のパブリック活動は素晴らしい。
ECP には初期のものと現行の商用プロダクトの2つがある。初期製品をコミュニティ版のオープンソースECP Community Editionとしてリリースしたのは彼だし、当時はXenを補完する運用管理としての位置づけ が強かった。パブリックな活動に造詣の深い氏は、その後もクラウド普及の
