2009年8月25日火曜日

VMwareが新事業展開か
-SpringSourceとCloud Foundryが傘下に-

VMwareの新事業展開から目が離せない。
8月11日、VMwareはこれまでと異なる分野のSpringSourceを 買収した。同社は、初期のワークステーション上での仮想化技術の確立(VMware Workstation)が終わるとサーバー(VMware GSX/ESX)へと進み、その後、ビジネス用をESX(無償)に絞込んだ。そしてESXのデーターセンター適用、さらにその応用として有償のVDI (Virtual Desktop Infrastructure)、システム運用補強のvCenterやVMware Infrastructure 3 → vSphere 4などへと進化させながら整備してきた。 ここまでは、あくまでもコアである仮想化周りの拡充である。


しかしながらSpringSourceの買収は、それらとの関連性がない。
Springは、Rod Johnson氏がその著書「Expert One on One J2EE Design and Development」の実践としてリリースされたもので、Javaベースの Frameworkとして知られ、幾つかのJava製品(tc Server-Apache Tomcat, dm server-OSGiなど)を持ち、開発にはLean Software Developmentの考え方がベースとなっている。こう見ると、この買収で、VMwareがこれまでの仮想化事業から進展し、さらに上位のクラウドに 向かっていることが解る。周知のとおり、SpringSourceは今年5月、Network & System MonitoringのHypericを買収、両社の製品からBuild(作成)→Run(実行)→Manage(管理)までがシームレスとなった。

そして驚くことに、8月19日、今度はCloud FoundryがSpringSourceの傘下になることが決まった。現在のCloud FoundryはAamzon EC2上で動くJava ApplicationのProvisioning & Management System だ。発表されたのはSpringSource Cloud Foundry。この新FoundryではSptingSourceが持つtc server (Tomcat)などとApache http serverやMySQLなどが連携、さらにモニタリングと管理のHypericが統合される。こうなると、クラウド上のアプリケーション開発の方法論か ら必要なミドルウェア、そして実行管理までがカバーできる。勿論、Amazon EC2だけでなく、他のクラウドで新しいFoundryが動くことは想像に難くない。そうなれば大きな可能性が開ける。

これらの分析とVMwareの最近の動きを重ね合わせ、今後を予測しよう。
ま ず、同社が仮想化から離れて、クラウドビジネスに進出する可能性が高くなったことは間違いない。これには直接VMwareが市場に参入することも否定でき ないが、それよりは、このところvCloud Initiativeで整備の進むデータセンター業界に提供する可能性が高いと思う。ひとつのシナリオは、6月に$20Mを株式投資したデータセンターの Terremark International(Nasdaq上場)をモデルとする方法だ。両社は昨年来、緊密に技術連携し、Terremarkの提供する 「Enterprise Cloud」上で米総務庁GSA(General Service Administration)や世界75ヶ国で650以上の独立系ホテルやリゾートを運営するPreffeed Hotels Group、米自動車ローン大手Santander Consumer USAなどを獲得。この結果、今年4月末、vCloud Initiative初の「Service Provider of the Year 2008」に輝いた。このような背景からVMwareがTerremarkにSpringSource Foundryを提供し、新たな顧客開拓を試みる。勿論、この場合、Terremarkはモデルであり、いずれvCloudに参加する他データセンターに も提供され、その先にはエンタープライズ提供も待っているという筋道だ。

今回の買収劇でもうひとつ大事なポイントはオープンソースである。
VMware は、一部APIなどを開放しているものの、製品価格やパートナー戦略など、どちらかと言えばガチガチのプロプライエタリーベンダーだ。だからこそ、Xen やKVMなどが同社技術に対峙してきた。周知のように、クラウドはオープンソースと親和性が高い。裏返せば、Microsoftと同様、オープンソースは VMwareのアキレス腱でもある。SpringSourceとCloud Foundryの2つのオープンソース企業を手に入れたことで、VMwareへの風当たりが弱まり、デベロッパーコミュニティーとの関係が改善できれば、 VMwareにとって磐石な世界が見えてくる。