=整理が進むサーバーライン!=
昨年1月、IBMはLenovoにx86ベースのサーバーラインSystem xを売却
した。
2013年度の経営悪化で、同2014年10月には半導体部門もGlobal Foundriesへ売却してハードウェア事業を縮小し、クラウドのSoftLayerと人工知能Watsonへのシフトを鮮明にした。結果、サーバービジネスは下図(Source:ITcandor)のようになった。世界サーバー市場のトップはHPの22.6%、2位はDellで17.7%、IBMのそれは3位だが9.3%である。後ろにはCiscoのUCSが5.2%と迫っている。もはや以前の勢いはない。しかし、Linuxサーバー市場だけを見るとIBMは18.6%でトップ、2位はHPの17.7%、3位はDellの11.6%と続く。
=伴ってOSの整理も進む!=
ハードウェアベンダーとしての顔をIBMが維持するのであれば、市場のマジョリティーであるx86系の売却はなかった筈である。ただ、売却できないメインフレームやPower製品は多くのユーザーがいる限り、製造を続けなければいけない。ここにIBMの悩みがある。ここまでの脱ハードの結果、IBMがサポートするOSは3種類となった。System z上のzOS、Powerで動くAIX、そしてPowerとSystem zで稼働するLinuxだ。歴史的にIBMメインフレームのOSとして君臨してきたのはzOS、そのハードウェアは名機IBM System/360だった。その後、2000年末にz/Architectureが発表されてSystem zシリーズとなり、今年1月にはIBM z13が発表された。z13の心臓となるCPUは22nm CMOSのPU(Processor Unit)だ。これは自社設計開発のチップを売却先のGlobal Foundariesが製造したものである。つまりOSは3種となったが、依然として、CPUは難物のSystem zとAIX用のPowerがある。下図はOS単位のIBMサーバーの売り上げを示したものだが、Unixを系譜にもつAIXサーバー売り上げは2012年来低減傾向。同様の傾向にあるzOSはそれでもAIXの2倍はある。伸びているのはLenovoからのOEMであるLinuxサーバーのみだ。こうみると、長期的にはAIXもzOSも出来れば、徐々にLinuxに移行したいところだろう。
2013年度の経営悪化で、同2014年10月には半導体部門もGlobal Foundriesへ売却してハードウェア事業を縮小し、クラウドのSoftLayerと人工知能Watsonへのシフトを鮮明にした。結果、サーバービジネスは下図(Source:ITcandor)のようになった。世界サーバー市場のトップはHPの22.6%、2位はDellで17.7%、IBMのそれは3位だが9.3%である。後ろにはCiscoのUCSが5.2%と迫っている。もはや以前の勢いはない。しかし、Linuxサーバー市場だけを見るとIBMは18.6%でトップ、2位はHPの17.7%、3位はDellの11.6%と続く。
=伴ってOSの整理も進む!=
ハードウェアベンダーとしての顔をIBMが維持するのであれば、市場のマジョリティーであるx86系の売却はなかった筈である。ただ、売却できないメインフレームやPower製品は多くのユーザーがいる限り、製造を続けなければいけない。ここにIBMの悩みがある。ここまでの脱ハードの結果、IBMがサポートするOSは3種類となった。System z上のzOS、Powerで動くAIX、そしてPowerとSystem zで稼働するLinuxだ。歴史的にIBMメインフレームのOSとして君臨してきたのはzOS、そのハードウェアは名機IBM System/360だった。その後、2000年末にz/Architectureが発表されてSystem zシリーズとなり、今年1月にはIBM z13が発表された。z13の心臓となるCPUは22nm CMOSのPU(Processor Unit)だ。これは自社設計開発のチップを売却先のGlobal Foundariesが製造したものである。つまりOSは3種となったが、依然として、CPUは難物のSystem zとAIX用のPowerがある。下図はOS単位のIBMサーバーの売り上げを示したものだが、Unixを系譜にもつAIXサーバー売り上げは2012年来低減傾向。同様の傾向にあるzOSはそれでもAIXの2倍はある。伸びているのはLenovoからのOEMであるLinuxサーバーのみだ。こうみると、長期的にはAIXもzOSも出来れば、徐々にLinuxに移行したいところだろう。
そして登場したのがLinuxONEである。
このブランド名でサポートしているハードウェアはSystem z。稼働OSは当面SUSEとRed Hatだが、来年にはUbuntuも加わる予定だ。IBMによると、既存、System zユーザーの1/3はLinuxを使用しており、ニーズは高いと説明する。提供されるのは、IBM z13ないしはzEC12ベースの「LinuxONE Emperor(皇帝ペンギン)」とIBM zBC12ベースの「LinuxOne Rockhopper(岩飛びペンギン)」だ。Linuxのマスコットのペンギンにあやかったシリーズである。前者の大規模向けは350~8000台のVM、後者の中規模システム向けでは40~600台のVMが稼働できる。LinuxONEはクラウドやビッグデータで必要な各種のオープンソースソフトウェアを採用し、さらにユーザーコミュニティー促進のために、IBMはLinuxONE Developer Cloudを提供予定だ。位置付けは超大型のLinuxサーバーである。
=メインフレームの良さは何か!=
こう見てくると、メインフレームの良さは何だったのか、という疑問に突き当たる。
これまでzOSは閉ざされた世界の高速トランザクションマシンとして重要視されてきた。バンキングやエアーラインなどミッションクリティカルで高速かつ完全なセキュリティーが求められる分野である。しかしながら、LinuxONEはオープンソースベースだ。製造を止めることが出来ないSystem z上で、これまで通りzOSユーザーには閉鎖性を武器にし、Linuxユーザーにはブレードサーバーを超えた高速性とセキュリティー重視の製品を提供する。このややもすると二律背反の回答を求めて、Linux Foundationの中にIBMはOpen Mainframe Projectを立ち上げた。初期メンバーはIBM、BMC、CA Technologies、Marist Collegeだ。「セキュリティー重視のLinuxとは何か」、これがプロジェクトのテーマである。諸兄は、既にLinux FoundationにはCarrier Grade Linux、そしてトヨタが主導して始まったAutomotive Grade Linuxプロジェクトがあることを知っているだろう。IBMの求める回答がここから生まれるかもしれない。